フォード・エクスプローラー
(写真=フォード・モーター・カンパニー)

安定した上半期を迎えた2015年のフォード。ブルーオーヴァルは前年より7.3%増で42億7000万ドル(税引き前)の利益をあげた。

通常ならば好調な増益率だと言いたいところだが、これにはちょっとした裏話がある。上半期に低迷した利益が、第3四半期から大幅アップするだろうというフォードの話にも関わらず、既に第2四半期には利益が跳ね上がっていたのだ。これは、フォードが自社の予想を遥かに上回る業績をあげているという事を示唆しているのだろうか?


予想を遥かに上回る“上出来”の四半期 — 更なる飛躍なるか?

「我が社にとって、飛びきり素晴らしい第2四半期だった事実を告げる見出しだ」

ウォール街を激震させるほど大好調だった収益を発表後、フォード最高経営責任者(CEO)のマーク・フィールドは、第2四半期の収支報告をこう切り出した。

「これまでのハイライトを挙げてみると、自動車産業史上では2000年以来最高の四半期利益をあげ、北米事業では歴代最高の四半期利益、アジア太平洋事業では第2四半期の記録を出した。フォードクレジットは堅実に業績を伸ばし続けているし、軽くではあるが欧州内でも人気に火がついた。我々が年度の初めに定めた目標を、確実に達成しつつあるという事だ」

今年1月、フィールドはもう1人の最高経営責任者、ボブ・シャンクスと共に「2015年度を税引き前利益という点で見た場合、我が社にとっては「打破の年」になるだろう。」と何度も繰り返していた。第2四半期の収支報告の席で、2人はその台詞を再び口にした。

しかし両者は今年の初めに、2015年度における自社の収益パターンが従来と異なるだろうと予告した。


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(提供:モトリー・フール)

従来、フォードは利益の大半を上半期にあげる。そして翌年の新商品発売に向けて、第3・第4四半期に支出が重なり、翌年の上半期にその新商品の売り上げから利益を算出する形になる。

2015年度、両者はこの従来のパターンが該当しない可能性を告げた。

「両方の自社自動車工場が強化されるまでは、新型F-150の発売に向けた大々的なキャンペーンの影響で、販売台数は限定されるが支出は増加する。その一方、2015フォードエッジと新型エクスプローラーの発売に関する追加費用(加えて、提携している自動車ディーラー不足)により、上半期の収益は抑制されるだろう。しかし、いったん、我が社のディーラーに十分な在庫が行き渡れば、下半期には売り上げ及び利益が急増すると期待できる」


スケジュ−ル前倒し?予想外の反響?

これまでのところ、大部分は、フィールズとシャンクが我々に語った通りに物事が進んでいる。第一四半期に13億8000万ドルだったフォードの税引き前利益は、2014年度第一四半期から2400万ドル増加している。しかしブルーオーヴァルが通常の売り上げを達成し、21億5000万ドルの税引き前利益をあげた2013年度第1四半期と比較すると、大きな下落だ。

「大部分は」という表現をしたのは、同社の第2四半期の成果が、大半の分析者(我々ユア・ハンブル・フールも含めて)の予想を大きく上回っていたからだ。F-150の強気な価格に加え、2015フォードエッジと新型エクスプローラーの好調な売れ行きが、フォードの北米ユニットの押し上げに貢献する一方で、ヨーロッパにおける売り上げの伸び率が中国での低迷をカバーする形になった。

平均的な税引き前利益をあげた2013年度と2015年度をここで比較してみよう。先程の「年間割り振り」スライドと比較すると、2013年度の税引き前利益は同社歴代のパターンと似たり寄ったりの変動をしている事が分かる。しかし2015年度は例年よりも若干早期に上昇が見られる。

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(提供:モトリー・フール)

前回の下降以降、フォードは2015年度を通して、85億〜95億ドルの税引き前利益を弾き出している。とりわけ、大人気の新型F-150が急激に売り上げを伸ばしている北米での業績見通しが好調な上、ここ数年低迷していたヨーロッパでの見通しも明るくなりつつある。しかし一方では、ロシア・中国・中南米での事象が、下半期の当期利益を多少押し下げるのではないか?とシャンクスは予想している。

しかしながら、第2四半期における飛躍を目の当たりにした今、自社で定めた厳しい業績目標を達成した、或いはそれを超過する成果が、通期決算で発表されても不思議ではないだろう。2015年はフォードにとっては、歴代最高利益ランキングの上位に記録される年となり得るかもしれない。

ジョン・ローズヴェアー(John Rosevear) (提供: The Motley Fool

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