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(写真=Getty Images)

2020年東京オリンピック・パラリンピックの公式エンブレムについて、大会組織委員会が9月1日使用を中止する方針を固め、オフィシャルスポンサーが受ける被害額が注目されている。スポンサー契約には細かな条項が規定されており、企業も簡単にスポンサーを降りることはできないだろうが、運営側のある意味“不始末”で生じる損害がどう扱われるのか注目されるところだ。


NTT、三井住友銀などサイトからエンブレム削除 アサヒはパンフ発送済み

現状では開催まで5年あるため、広告活動にまだ利用していないスポンサーも多い。しかしNTT、NEC、三井不動産、三井住友銀行は1日、五輪関連の特設ウェブサイトなどで使っていたエンブレムを削除。またENEOSや野村ホールディングス、日本生命などはすでにテレビCMで公式エンブレムを利用しており、いきなりハシゴを外された格好だ。 全日本空輸は、印刷を終えた9月の機内誌にこのエンブレムが登場してしまうという。

ある酒類流通関係者によると、アサヒビールは11月4日に五輪エンブレムを印刷したスーパードライを発売する予定だったようで、パンフレットも既に配送済みだった。同社広報は、エンブレム入りの缶については「企画段階であり、現状何も決まっていないので、特に損害は出ていない」とし、エンブレム中止によるブランドイメージの毀損については「今のところお客さまからのクレームもありませんし、特段感じていません」としている。

大手広告代理店の関係者はこうした製作物の再作成について、「 被害総額は数億円にのぼるのでは」と話す。テレビCMについても、「全国規模で放送するCMの差し替え、作り替えなら1000万円規模では」と付け加える。


具体的な被害額の算定は? 組織委に補償求められるのか?

東京都は1日夜、都庁ロビーなどに掲示していたエンブレム入りのポスターをはがした。都は既に、横断幕やのぼり旗などのグッズ作製を注文しており、契約金額や約4600万円にのぼるという。既に各メディアが報じているとおり、今後、業者に対する違約金が発生するのか、組織委に対して補償を求められるのかなどを協議する。

民主党の安住淳国会対策委員長代理は2日の会見で、党としても被害算定額を調べる方針を明らかにしており、「ゆめゆめ国民の負担でということはないでしょうね、ということはチェックしていきたい」と述べている。

前出と別の広告代理店関係者は「アメリカなら訴えられてもおかしくない事態。(今後できるであろう)新しいエンブレムを見るたびに一連のトラブルを思い出すことになり、スポンサー企業のブランディングにつながるのか注目される」と指摘している。

これらの「作り直し」実費以外にも、企業から損害賠償が認められることになれば、数億円では済まなくなる可能性もある。

デザインを考案する際に、既存のデザインから新たなイメージを浮かべることは珍しくない。しかしこれをどこまで盗作と規定することは極めてむずかしい。図柄が似てると感じられていても、著作権法上問題にはなるとは限らないからだ。

しかし、たとえ盗作でなくても、盗作として訴えられれば消費者が抱くブランドイメージにはマイナスだ。今回のデザイン選定プロセスは、五輪という世界規模の大会にしては甘さが目立つものだったと言わざるを得ない。(ZUU online 編集部)

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