投資妙味のありそうな銘柄は?

百貨店各社のバリュエーションをご紹介します。以下の表に示したとおり、主要百貨店のうち近鉄百貨店以外の全ての銘柄が7月末比の株価パフォーマンスがTOPIXを下回っています。元々訪日外国人の増加で成長期待が高く株価が大きく上昇していたため、マーケット全体が大幅調整となった際に、特に売られやすかったということでしょう。

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好立地の店舗を保有しているため特に成長期待の高い松屋や三越伊勢丹 <3099> は依然として予想PERの高さ、予想配当利回りの低さからやや割高感がある(ただ、特に松屋は保有不動産の含み益が株価の評価に加味されていると考えられます)一方で、パルコ <8251> や高島屋 <8233> 、J.フロント リテイリング <3086> は予想PERがTOPIX(市場全体の平均)とほぼ同水準、PBRが1倍前後と割安感があります。

特に高島屋とJ.フロント リテイリングは今年の4月以降一貫して既存店売上高が前年同月を上回っており、成長面から見ても投資妙味があるのではないかと考えています。

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益嶋 裕
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 マネージャー

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