(撮影=ZUU online編集部)
史上最大規模とされる郵政グループ3社の新規上場承認日が目前の9月10日に迫っている。
日経平均株価は、 8月中旬につけた2万540円から1週間足らずの8月26日には1万7千714円の安値を付け、9月も変動の激しい相場が続いている。9月8日に日経平均株価が1万7500円を割り込んだ水準から一転、9月9日の終値は、前日比1343円43銭高の1万8770円51銭と大幅高で引けている。
値動きの荒い展開が続くなか、時価総額10兆円ともいわれる郵政3社の大型上場は、今後の日本株の需給バランスに大きな影響を与えることが想定される。では、それにより日経平均株価はどのように動いていくのだろうか。
SBI証券シニアマーケットアナリスト「相場の福の神」の異名を持つ藤本誠之氏が9月8日、「郵政3社株式上場直前!?上場前と上場後の株式市場をズバリ予想セミナー」を開催した。会場には100名を超える個人投資家が集まり、郵政3社の上場や上場による株式市場に及ぼす影響への注目の高さが伺えた。
郵政3社の需給インパクト
まず、今回の売り出しの前提条件を確認しよう。
今回の売り出しの目的は、東日本大震災の復興資金4兆円の捻出、新規上場時を含め3回ほどに分けて株式を売却する方針となっている。
藤本氏は「想定時価総額6兆円以上、想定売り出し規模は1.33兆円程度。個人投資家による新規資金の流入は4500億円を期待、4500億円程度はマーケットで売られる可能性が高い」とした。
年末にかけて「トヨタ・メガバンク・第一生命」などに売り圧力
8月中旬からの大幅下落に関して、「正直1万9000円を割り込むとは思っていなかった。個人投資家も郵政上場3社の上場を控え、下値で買いづらかったのが戻りが鈍い要因のひとつにあるだろう」
さらに、「11月4日上場の場合にTOPIX組み入れは年末となる。年末にかけて、トヨタのような時価総額上位銘柄、同業種のメガバンクや第一生命などに売り圧力があるだろう」と予想した。
チャンスは10月末以降
藤本氏は8月の相場下落の影響に関して、「10月半ばまでは厳しい相場が継続するだろう。8月中旬以降の大幅下落は骨折みたいなもの。ポッキリ折れたためすぐには戻らない」と述べた上で、「少しづつ戻ってくるため強気でいきたい」と語った。
日経平均株価の直近の下値目処としては、「(後から振り返った時に)1万7500円を割り込んだ本日(9月8日)が底値となる」と述べ、日足チャートを使いながら「明日以降戻っていければ、初めて全値戻しが達成できる」とした(9月9日終値1万8770円51銭、全値戻し達成)。
また、一目均衡表(日足)用いながら、「9月後半から10月頭にかけて雲が薄くなっている部分があり、ここで雲を突き破っていくだろう。ここで雲を突き抜けられないと上値が重くなる」と見解を述べた。
日本郵政上場前の買いタイミングに関しては、「11月4日に上場する場合、10月末に日本郵政グループの上場に伴う払い込みが終わる。それと共に株式相場が復活し、年末にかけて株式相場が上昇していく」とのことだ。
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