イギリスのCDCとは
こうして生まれたDA(Sharedriskscheme)の枠組みの中で、具体的な制度の有力候補となっているのがCDCです。このイギリス流のCDCとはどのような特長を持っているのでしょうか。図表6はイギリスの国会議員向けの資料に掲載された内容をまとめたものです(iv)。
こうしてみるとオランダで議論が行われてきたものの制度化が見送られたRealcontractの考え方や、さらにはSERが進言したシナリオvに近いものを目指していることが分かります。
しかし、肝心なオランダでは一連の議論が前進する気配はなく、とりあえず「一時的な処置を施した状態」にあります。その間にイギリスでは枠組みとしてのDA、その具体的な仕組みとしてのCDCの実現に道筋を付けることができました。
イギリスでは何も問題点は出てこなかったのでしょうか。一連の検討作業は2012年の政府による問題提議から始まり、2014年の中頃まで続きました。図表7はその際に出た主な論点を整理したものです。こうした論点には、日本で「第3の企業年金」を考える際にも参考になるものがあるのでしょうか。