チャールズ・ハラック氏
(写真=BlackRock)

世界最大の資産運用会社ブラックロックの共同社長、チャールズ・ハラック氏が9日、米ニューヨーク市内で死去した。同社広報によると、死因は4年前に診断された結腸がん。50歳だった。


資産運用プラットフォーム「アラディン」を開発

「チャーリー」の愛称で親しまれたハラック氏は、現CEOのローレンス・フィンク氏ほか他7人とともに、1988年の設立時からの社員。同社は今や運用資産4.7兆ドル(約565兆円)を有する世界最大の株式公開資産運用企業だ。

オペレーション・テクノロジーが専門分野だったハラック氏は、業界トップの資産運用プラットフォーム「アラディン」を導入。ブラックロックの主要取引項目であるリスク管理と通信機能をつなぐシステムだ。

ハラック氏とフィンク氏は投資銀行ファースト・ボストンで一緒に働いていた時から、企業のトレーダーや投資家が投資決定をする時に皆が同じ条件下で決断できる、ブラックロックにしかないリスク管理システムを確立したいと考えていた。開発当時、多くの資産運用会社にはこのような洗練された技術があまり普及しておらず、「アラディン」は革新的な一歩となった。

「アラディン」は、ハラック氏が2000年に立ち上げたリスク管理と金融機関向け助言サービスにおいて、ブラックロックの中心的ソリューションとなり、現在は世界70社の金融企業で利用されている。また2008~2009年には金融危機の最中、ブラックロック・ソリューションは米政府の主要アドバイザーとしても活躍した。

フィンク氏は「チャーリーは明確なビジョンを社内で具現化し、ブラックロックの真の心臓・魂ともいえる人間でした。アラディンを含め、彼のたぐいまれなる革新はいつも我が社の成功の中心にあります」と話す。


COOとしてバークレイズとの統合を主導

2009年、ハラック氏は同社COOに就任し、同年にはバークレイズ・グローバル・インベスターズとの統合を主導。ブラックロックは幾度の買収を経て成長し、ハラック氏のオペレーション・テクノロジーにおけるスキルも高く評価された。

強力な文化で知られる企業で、ハラック氏の献身ぶりは突出するものがあった。4年前に結腸がんと診断されてからも、可能な限りマンハッタンにあるオフィスへ出社し、夏には1日中働くことも多かったという。(ZUU online 編集部)

【関連記事】
・新築か中古か?借金は悪いこと? 家を買う時に必要な「資産設計」の視点
・11月4日上場へ!日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の上場を徹底解剖
・日本人大富豪ランキング トップ20の顔ぶれはこれだ!
・日経新聞/日経MJから、四季報まで全てネットで閲覧可?その意外な方法とは
・人類史上長者1位は誰?「現役」からはビル・ゲイツ氏が9位にランクイン