BMW

「自動車産業史上最大のスキャンダル」に発展したVW排気ガス不正事件。今度は同じくドイツの高級自動車ライバル、BMWにも飛び火したようだ。

ドイツ最大の自動車専門誌『Autobild』は24日、「クリーン・ディーゼル・エンジン搭載をウリにしたBMWのディーゼル車、『X3』だが、欧州の規制基準の11倍を上回る排ガス量というテスト結果がでた」と報じた。

この実走テストは英調査機関が国際クリーン搬送協議会(ICCT)と共同で実施したもので、米合衆国環境保護庁(EPA)が訴えているよりも、排気ガス不正の実態が更に酷いことを示唆している。実際、今回のテスト中に測量されたX3の窒素酸化物排出量は、VWパサートなどと比較すると遥かに多いことになる。

「不正行為を暴き出される企業がいるとすれば、それは時間の問題だろう」とAutobild誌はコメントしている。


ICCTも実装テストに太鼓判を押していた

この報道を受けて、欧州自動車メーカーの株価は軒並み落ち込んだ。BMW の9%下落を筆頭に、ダイムラー5.6%、フィアット5.2%、プジョー6.7% 、そしてルノーが3.7%と落ち込んだ。一方、VWの株価は1.4%増とやや上昇傾向にある。

BMWの株価がここまで下落するのは4年ぶりだが、VW株のように2日間で35%も暴落するような動きは見られない。その要因について、英投資アドバイス会社のアーント・イリングホースト氏は、米情報サイト『ビジネス・インサイダー』に宛てたメールでこう説明している。

「西バージニア大学とEPAがVWの調査中にBMW X5もチェックしたのですが、規制にパスしているという判断を下したのです。またICCTも最近、『BMWは実走テストの際、最も優秀なパフォーマンスを見せるブランドの1つ』と太鼓判を押したばかりです」


BMW「車のエンジンが古かった」

VWのスキャンダル発覚直後は「我が社のX5 SUV とそのほか 13種類のBMWはICCTの検査を受け、排出ガス量が規制基準以内という結果が出ています」と防御の構えを見せていたBMWだが、Autobild誌の報道に関しては「今回のテストについては関知していなかった」と、やや弱気なコメント。しかし「テストに使用された車のエンジンが古くて、実際の道路走行と同じレベルのガスを排出してしまっただけでしょう」と反撃。

イリングホースト氏も「BMW側の主張は有り得ないわけではない」と仄めかしている。「ほぼ全ての車は、実際に道路で走行すると、テストで測量された以上のガスを排出します。だからと言って、それが規制に違反するというわけではないのです」

欧州では2017年中旬から、実走テストによるガス排出測定の合格基準を厳しくなる。独環境省のバーバラ・ヘンドリックス氏は、「基準の厳格化をより早い時期に導入して欲しい」とコメントした。(ZUU online 編集部)

【関連記事】
コカ・コーラに33億ドル追徴課税 同社は争う構え
11月4日上場へ!日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の上場を徹底解剖
日本人大富豪ランキング トップ20の顔ぶれはこれだ!
日経新聞/日経MJから、四季報まで全てネットで閲覧可?その意外な方法とは
証券業界に革命?「独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)」に注目が集まる理由