消費者物価
(写真=PIXTA)


コアCPI上昇率は13年4月以来のマイナスに

総務省が9月25日に公表した消費者物価指数によると、15年8月の消費者物価(全国、生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は前年比▲0.1%(7月:同0.0%)となり、13年4月以来2年4ヵ月ぶりのマイナスとなった。事前の市場予想(QUICK集計:▲0.1%、当社予想も▲0.1%)通りの結果であった。

一方、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合は前年比0.8%(7月:同0.6%)と上昇幅が拡大し、総合は前年比0.2%(7月:同0.2%)と上昇を維持した。

消費者物価 図1

コアCPIの内訳をみると、電気代(7月:前年比▲3.8%→8月:同▲5.1%)、ガス代(7月:前年比▲4.8%→8月:同▲6.4%)、ガソリン(7月:前年比▲15.2%→8月:同▲17.8%)、灯油(7月:前年比▲21.4%→8月:同▲23.0%)の全てが前月よりも下落幅が拡大し、エネルギー価格は7月の前年比▲8.7%から同▲10.5%へとマイナス幅が拡大した。

一方、原材料価格上昇の影響などから値上げが続いている食料(生鮮食品を除く)は、パスタソース(前年比11.8%)、チョコレート(同18.5%)、インスタントコーヒー(同13.2%)、牛どん(同14.0%)が二桁の伸びとなるなど大幅な値上げが行われている品目が目立つ。

食料(生鮮食品を除く)の上昇率は7月の前年比1.6%から同1.8%へと高まった。コアCPI上昇率を寄与度分解すると、エネルギーが▲1.04%(7月:▲0.86%)、食料(生鮮食品を除く)が0.39%(7月:0.36%)、その他が0.56%(7月:0.50%)であった。

消費者物価 図2


物価上昇品目数の割合は引き続き6割を上回る

消費者物価指数の調査対象524品目(生鮮食品を除く)を、前年に比べて上昇している品目と下落している品目に分けてみると、8月の上昇品目数は339品目(7月は344品目)、下落品目数は131品目(7月は133品目)となった。

上昇品目数は前月から若干減少したが、上昇品目数の割合は64.7%(7月は65.6%)と引き続き60%を上回っている。下落品目数の割合は25.0%(7月は25.4%)となり、「上昇品目割合」-「下落品目割合」は39.7%(7月は40.3%)であった。

食料品の値上がりが目立っているが、トイレットペーパー、ポリ袋などの日用品、宿泊料、テーマパーク入場料、月謝類などのサービスでも幅広い品目で値上げが行われている。コアCPI上昇率は前年比でマイナスとなったが、品目数でみれば上昇品目数が下落品目数を大きく上回っており、物価上昇の裾野は広がっている。

消費者物価 図3