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(写真=The Motley Fool)

長期にわたって投資家たちに莫大な利益をもたらしてきたGoogle(グーグル)株。The Motley Fool寄稿者たちは、オンライン検索サービスの王者Googleのさらなる躍進を確信している。

Google は、長期にわたって投資家たちに莫大な利益をもたらしてきた。オンライン検索サービスの王者たる同社の株価は、過去10年でナスダック指数の伸び率121%を軽々と超える318%もの伸びを記録した。The Motley Foolの3人の寄稿者は、Googleが今後もさらに成長を続けるだろうと確信している。今Google株を買うべき3つの理由を彼らに述べてもらおう。

アンドレス・カーディナル

投資銘柄について長期的な決断を下す際に、もっとも重視すべき要素はおそらく企業の競争力だ。競争力という武器があってこそ、他社に負けない利益やキャッシュフローを何年にもわたって守り抜くことができる。投資家にとって幸いなことに、オンライン広告分野の競争力ではGoogleの右に出るものはない。

多くの消費者が、ネットで検索することを「ググる」と表現しているのを見れば、Googleのブランド力がいかに強いかが分かる。解析ツールStatCounterのデータによれば、Google社はデスクトップPCとモバイル機器を合わせて、世界中の検索マーケットの91%余りという途方もないシェアを誇る。広告収入については、2015年の業界全体の収益の54.5%を同社が占めるだろうとリサーチ会社eMarketerは推測している。

他にもGoogleはオンライン業界で大変価値のある資産をいくつも持っている。同社の経営陣が第2四半期のカンファレンスで発表したところによると、検索サイトGoogle、YouTube、Android、Chrome、Googleマップはそれぞれ10億人を超えるユーザーを持つという。Googleが規模を拡大すればするほど、より多くの情報をユーザーから収集することができ、それらのデータを活用することで消費者にはさらに充実したサービスを、広告主にはより効果的な広告戦略を提供できるという仕組みだ。

すでに巨大化し目覚ましい強さを持っているGoogleだが、同社を取り巻くすべての状況が、この企業がさらに大きく、強く成長し続けることを示している。

ティム・グリーン

Googleの利益を生み出す手腕は見事だ。同社の過去12カ月における営業利益は174億ドルで全収益の約25%に当たる。また、直近12カ月間累計で約260億ドルの営業キャッシュフロー及び146億ドルのフリー・キャッシュフローという、潤沢なキャッシュ保有を誇る。Googleは使いみちに困るほどの金を稼いでおり、そのバランスシートには何百億ドルもの現金が累積計上されているのだ。

このキャッシュ過剰状態は、Googleの利益性を実際より低く見せている。最新のデータに基づく同社の、資産簿価に対する純利益の割合を示す自己資本比率(ROE)は約12.9%で、S&P500の平均ROEを大きく超えてはいない。だがこれは同社の保有キャッシュ高が資産簿価を上げているために、ROEが平均並みの数値を示しているに過ぎない。当面の営業活動に必要でない余剰キャッシュ分を割り引いて計算すれば、Googleの実質ROEは25-30%前後の優れた数値を示すことになる。

並外れた収益性を見せるGoogle株がプレミア価格で取引されるのは当然のことで、現在の取引総額は、株式報酬費用を除き、同社の米GAAP会計基準による直近12カ月間累計収益の約30倍、アナリストによる2015年GAAP外収益予想額の22倍となっている。これほどのプレミア価格と引き換えに、投資家は驚異的な収益性とさらなる成長の可能性をもつ企業の株を手に入れることができるのだ。

スティーブ・サイミントン

たしかにGoogleの財務状況は完ぺきで、コアビジネスである広告収益も安泰、これほどの大企業になった今もなお目覚ましい成長を続けている。しかし、投資家から見てGoogle株を所有したいと思う最高にエキサイティングな理由のひとつは、同社が未来を見据えて「ムーンショット(月ロケット)」と呼ばれる、高いポテンシャルを秘めた長期プロジェクトに取り組んでいることだ。

例えばGoogleは2009年に自動運転車開発プロジェクトを立ち上げたが、昨年12月にようやく試乗車第1号(ハンドルもブレーキペダルもない自動車)を公開した。2013年後半の半年足らずの間に、ヒト型ロボット開発会社ボストン・ダイナミクスを含む8つのロボット関連企業を買収し、その後同社幹部のアンディ・ルービンが、自動運転車で客の家まで品物を配達するデリバリー・ロボットをつくるのが、Googleの数あるプロジェクトのゴールのひとつだ、発表した。

「どのムーンショット・プロジェクトにおいても、時間の果たす役割を考えなければならない。十分な助走期間と10年単位のビジョンが必要だ」

その他のムーンショット・プロジェクトとしては、リアル感のアップしたウェアラブル端末Googleグラス、持病で手が震える人のための自動安定スプーン、糖尿病患者の血糖値を自動測定できるコンタクトレンズなどの開発、全世界レベルでのネット接続ユビキタス化を実現するために何百基もの大容量の低空人工衛星、ドローン、成層圏バルーンを利用する、「ルーン計画」の名で知られるプロジェクトなどがある。

いずれもGoogleの本質を示す野心的なプロジェクト、すなわちテクノロジーを駆使して世の中をもっと良くしていこうという取り組みだ。もちろんすべてのプロジェクトが財政面で成功を見るとは限らない。しかし、たった一つの株が何倍にも化ければポートフォリオ全体が好転するのと同じ理屈で、投資家たちに長期にわたって配当を出し続けるために、すべてのムーンショット計画が成功する必要もないのだ。

アンドレス・カーディナル(提供: The Motley Fool