村本理恵子取締役
(写真=ZUU online編集部)

Netflix、Amazonプライム・ビデオ、Hulu……海外から動画配信サービスが多数参入し、映画・ドラマファンはどのサービスを使おうか嬉しい悲鳴を挙げていることだろう。

気になるのが、日本のサービス事業者が海外勢とどう戦うのかということだ。古くから日本でサービスを始めているdTVは、「d」とつくことから分かるとおり、NTTドコモが立ち上げたサービスだが、既にキャリアフリー化。ソフトバンク、auのユーザーも使え、2015年9月現在、利用者は460万人超。運営もドコモではなく、エイベックス通信放送が担う。

見放題の月額が500円(税抜き)と安価であることや、動画のダウンロード視聴ができることなどが特徴だが、ライバルが増えた今後、どう戦うのか。運営を担うエイベックス通信放送の村本理恵子取締役にdTVがいかに戦うのか戦略を聴いた。


開拓者としての自負 海外勢と一緒に市場をつくる

——競争が激しくなっていますが、今の状況をどうとらえているのでしょうか?

海外から様々なサービスが上陸してきて、ようやく市場が盛り上がってきたという印象です。dTVの前身のdビデオ、その前のBeeTVからいえば動画配信事業を始めて6年になります。始めた当時は「モバイルで動画を見る」という習慣なんてない時代でした。

とはいえまだまだ業界の中、メデイアの中での盛り上がりに過ぎません、誰もがこういう動画サービスを普通に選ぶような状況には至っていません。

——たしかに少し前まで、権利の関係で動画の見放題配信は難しかったように思います。

そこは大きく変わりました。わずか4年前dビデオを始めた時、「500円で見放題なんてあり得ない」という状況でした。ご理解いただくのに苦労しましたが、今は当たり前になった。その意味ではユーザーのための環境づくりに寄与してきたという自負はあります。

——あまり海外からの新規参入は脅威に感じていない?

脅威でないといったら嘘になりますが、むしろあちらからみたらdTVが脅威なのではないでしょうか? いろいろな新規参入があってはじめてマーケットは育つものです。今まさにそういう時期で、一緒に市場を開拓しているところだと思います。