欧州大手保険グループの海外進出状況-各社別-
ここでは、欧州の大手保険グループについて、保険料や資産に加えて、営業利益やEV(Embedded Value)(*2)の状況を地域別に見てみる。地域別の収益配分等も各社毎の考え方に基づいているが、各国における子会社毎や各社間の収益状況の差異等を一定程度見てとれるものと考えられる。
なお、ここでは、上記の4社の他に、データ制約上の理由等から2の比較表には加えられなかった、Zurich(スイス)とAegon(オランダ)の2社についても、欧州の他の保険先進国を代表する保険グループとして含めている。
◆AXA
AXAの営業利益は、自国のフランスと自国以外の欧州、米国、日本を含むアジアでそれぞれほぼ1/4を占めている。AnnualReportによれば、自国のフランスでのシェアは第3位であるものの、最大の米国市場でトップ20に名を連ねている他、スイスやベルギーに加えてインドネシアやタイ等で10%を超えるシェアを有して、トップ3の会社となっている。
なお、新契約価値ベースでみると、日本を含むアジアが4割を超える構成比となっている。因みに、AXAはEVレポートの中で資本収益率(ROE)を開示しているが、その地域別の状況は以下の通りである。これによれば、アジアや中南米等の新興地域での資本収益率が相対的に高くなっている。
◆Allianz
営業利益では自国のドイツが4割弱を占めているが、フランスやスペイン、イタリア等の主要国からも高い収益を上げており、欧州全体で3/4の構成比となっている。米国の子会社もトップ20に入る等有意なプレゼンスを有しており、その構成比は20%となっている。さらに新契約価値ではアジア・太平洋が12%を占める等、最近はアジアの位置付けが高まってきている。