(写真=PIXTA)
最近、新聞や雑誌、電車の中吊り広告などでよく目にする「NISA(ニーサ)」ですが、2016年からはこれに「こども」がくっついた「こども版NISA(ジュニアNISA)」が始まります。もちろん「マイナンバー」のように国民全員に関わる制度ではありませんが、これからの資産形成やお子さまの教育資金作りにも活用できる制度ですので、ぜひ、仕組みを知っておきましょう!
NISAとは?
NISAとは、2014年に始まった「少額投資非課税制度」です。分解すると、「少額」(少ないお金)で「投資」した場合、「非課税」になる「制度」。「何が非課税?」 。はい、投資信託や株式等に投資した場合に、その「配当や分配金、運用益等に対して税金がかからない」、つまり、元本100万円が運用で200万円に増えたならば、差額100万円をそのまま非課税で受け取ることが出来るのです。通常の課税口座ならば、利益に対し20%課税されますので、100万円増えたらそのうちの20万円は税金を支払うことになりますね。
ちなみに、今現在(2015年9月20日時点)の日経平均株価は1万8000円程度。NISAが始まった2014年1月の日経平均株価は1万5000円位ですから、日経平均株価に連動する投資信託を15万円保有していたとすれば、現時点での時価は18万円程度となり、運用益は3万円。通常口座ならば、その20%の6000円にかかる税金が非課税になるので、NISA口座を活用すればかなりおトクだということが分かりますね。ただし運用益は売却したときに確定するため、あくまでも現時点での試算である点はご理解くださいね。
NISAの決まり事
・1年間の非課税枠は100万円までと決まっています(2016年より120万円)
・2014年~2023年までの10年間に渡り優遇を受けることができます
・それぞれのNISAの非課税期間は最長5年間でそれを超えると、原則課税の対象となります
・制度が開始された2014年当初は「1人1口座で1つの金融機関のみの取引」というきまりがありましたが、2015年以降は、毎年金融機関を選択できるよう制度が改正されています(※こども版NISAは、年ごとの金融機関の変更は不可)
・取引できる金融商品は、個別株式、投資信託、国内、海外ETF等で、預貯金や債券、金、などは対象外です
・株主優待などは通常の口座と同じように受けることができます
ただ、デメリットもあります。利益に対しての税制メリットなので、元本割れした場合はNISA口座の恩恵を受けることができません。また、通常の課税口座ならばできる、「売却損が出た際に、損失を他の口座と相殺できる、損益通算」も対象にならないので注意が必要ですね。