Amazonが好景気の英国で本格的なフード事業の展開を視野に入れている。米国では既に2007年から「Amazonフレッシュ」を運営していたが、今度は英国内でも始める。これまで扱っていた食料品はコーヒーや乾物、ミネラルウォーターなどの長期保存できるものに限られており、スーパーなど食料品専門店と張り合うまでには到らなかった。ところが9月末から、チーズを含む生鮮食品と冷凍食品50点の販売をロンドンとバーミンガムで試験的に始めて話題になっている。


特別宅配料金は7ポンド弱

新サービスの特徴は「Prime Now」という会員制の超特急宅配便サービスを利用して、冷凍ピザやアイスクリームが注文から最高1時間で配達される点だ。利用するには年間費79ポンド(1万 4334円)の会員費と、特別宅配料金6.99ポンド(1268円)を別途に支払う。会員になるとディスカウントや翌日配達サービスが自動的に適用されるなど、様々な特典が受けられる。

Amazonは「最高1時間の超特急サービスに、生鮮食品と冷凍食品を加えることができました。我々にとって快挙です」というコメントを発表している。


英スーパーの宅配は最短1日かかる

英国ではスーパーマーケットの競争がし烈になっている。韓国事業の売却で話題になったテスコを始めとする大手チェーン店が、海外から進出して来た新手のディスカウント型チェーン店に圧倒され、地方の支店を整理せざるを得ない状況が続いている。Amazonのような世界最大手がフード産業に乗り出したことで。これらの大手スーパーマーケットは危機感を覚えている。

Amazonは価格競争でもスーパーの上をいく。商品によっては半額以下で提供しているほどだ。また各スーパーのオンライン宅配サービスは、注文してから配達されるまで最短で1日かかるので、スピードという点でもAmazonには太刀打ちできそうにない。

前年度の英国での売上げが53億ポンドを超えていたにも関わらず、納めた税金はわずか1100万ポンドという納税スキャンダルでクローズアップされたAmazon。近年は利用者のプライバシー問題や従業員への冷遇などでも採り上げられているが、事業は着々と拡大している。(ZUU online 編集部)

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