事業所調査の詳細:8月以降は全般的に伸びが鈍化

事業所調査のうち、非農業部門雇用増の内訳は、主要な民間サービス部門が前月比+13.1万人(前月:+12.2万人)となり、前月から伸びが加速したものの、7月の18.8万人からは大幅に伸びが鈍化した(図表2)。

9 月米雇用統計 図2

サービス部門のなかでは、8月以降に資本市場が不安定化した金融サービスの雇用が、前月比横這い(前月:+1.2万人)となったほか、それ以外の部門でも全般的に雇用の伸びは鈍化した。もっとも、小売については+2.4万人(前月:+0.4万人)と前月の大幅鈍化の反動もあって伸びが加速した。

一方、財生産部門は▲1.3万人(前月:▲2.2万人)と2ヵ月連続で減少した。資源関連で▲1.0万人(前月:▲0.9万人)と減少幅が拡大したほか、製造業が▲0.9万人(前月:▲1.8万人)と2ヵ月連続で減少した。政府部門は+2.4万人(前月:+3.6万人)となった。連邦政府が▲0.2万人(前月:+0.1万人)と減少したほか、州・地方政府では+2.6万人(前月:+3.5万人)と伸びが鈍化した。

前月(8月)と前々月(7月)の雇用増(改定値)は、前月が+13.6万人(改定前:+17.3万人)に下方修正されたほか、前々月も+22.3万人(改定前:+24.5万人)に下方修正された結果、修正幅は2ヵ月合計で▲5.9万人となった(図表3)。

なお、BLSの公表に先立って9月30日に発表されたADP社の推計は、非農業部門(政府部門除く)の雇用増が+20.0万人(前月改定値:+18.6万人、市場予想:+19.0万人)と、前月値や市場予想を上回った。この結果、ADP統計は、7月以降は2ヵ月連続で改善しており、8月以降に大幅に伸びが鈍化した雇用統計とは不整合な動きとなっている。

9月の賃金・労働時間(全雇用者ベース)は、民間平均の時間当たり賃金が25.09ドル(前月:25.10ドル)となり、前月から1セント減少した。週当たり労働時間も34.5時間(前月:34.6時間)と前月から▲0.1時間減少した。その結果、週当たり賃金は865.61ドル(前月:868.46ドル)と、前月から減少した(図表4)。

9 月米雇用統計 図3-4