(写真=HPより)
英国のニュース週刊誌『エコノミスト』が昨年から始めた朝のニュース配信サービス「エスプレッソ」が好調に読者数を増やしている。
週刊誌が「日刊を作ったら」という発想がきっかけ
エコノミストは、1843年創刊の政治・経済を中心としたニュース週刊誌。ニュースをネットで読む人が増える中、老舗の米ニュース週刊誌『タイム』や『ニューズ・ウィーク』は苦境に陥った。しかし、速さよりも解説、分析に重点を置いたエコノミストは、着実に紙版及び電子版の有料購読者を拡大させてきた。
英ABC(部数公査機関)によると、今年上半期で、有料購読部数(紙および電子版)は154万7562部。電子版(28万2829部)は下半期と比較すると22%増、1年前の比較では69%も伸びている。
電子版で大きな躍進を見せるエコノミストだが、24時間、ニュースが更新されるのが当たり前になった今、「果たして週に1度の発行で十分なのだろうか?」こんな疑問がわく。
エコノミストのクライアント・マーケティング部の海外部長ジェイミー・クレドランド氏によると、「日刊エコノミストを作ってはどうか」という発想から、生み出されたのが「エスプレッソ」サービスだったという。
「ベッドから出る前の5分で読めるニュース」がコンセプト
クレドランド氏は、独ハンブルグで6日に開催された「モバイル・ニュース・サミット」の「早朝配信ニュースサービス」のセッションにパネリストとして参加し、エスプレッソ誕生の背景とその制作方法、人気ぶりについて説明した。
サミットは5日から7日まで、ハンブルグ・メッセで開催された「世界出版エキスポ」(WAN-IFRA=世界新聞・ニュース発行者協会=主催)の中のイベントの1つだ。
クレドランド氏によると、エコノミスト紙の調査ではモバイル機器でニュースを閲読する人の大部分が朝起きがけに一番先にやることが、枕元のスマートフォンに手を伸ばすことだった。そこで「ベッドから出る前の5分で読めるニュース」を配信するアプリとしてエスプレッソの制作に取り組んだ。