夕刊紙の『ル・モンド』が朝に配信する同様のサービス「夜明け」を紹介

同じセッションにはフランスの夕刊紙『ル・モンド』(発行部数28万5000部)のモバイル部門のディレクター、エドアール・アンドリュー氏も参加し、同様のサービス「夜明け」を紹介した。

アンドリュー氏によれば、「読者は情報が多すぎて、どうしたらいいか分からなくなっている」。毎朝、ル・モンドの20本の記事を受け取ることで、「知るべきことを知っている」という感覚を持てるという。自動的にダウンロードされ、オフラインでじっくり読むこともできる。

20本の中で3分の1までは無料で読める。すべての閲読は有料で、月ぎめ6.99ユーロ(約940円)だ。これまでに30万回、ダウンロードされたという。

夕刊紙としてやってきたル・モンドにとっては、朝をめがけてニュースを配信するのは大きな転換であった。これまでのところ読者には好評で、より若い層を取り込むこともできたという。エコノミストも、デスクトップのコンピューターよりもスマホが身近な若門層の取り込みに力を入れている。

ニュースの消費環境が大きく変わっている。既存メディアは環境の変化とともに、ニュースの届け方、記事の書き方を変化させる必要に迫られている。いずれも長い伝統を持つエコノミストもル・モンドも、従来のやり方にとらわれず、新たな領域に踏み込んでいる。(小林恭子、在英ジャーナリスト、メディア・アナリスト)

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