ガイ・ハンズ氏
(写真=HPより)

「プライベート・エクイティ投資の帝王」の異名を持つ英投資家ガイ・ハンズ氏が、EU連合の存続についての懸念を示した。


「欧州は第二次大戦以来の危機に直面」

7日に英ロンドンで開催されたカンファレンスに出席したハンズ氏は、引率力に欠けるリーダーシップ、極端な政策、深刻化する移民問題などを例にあげ、「欧州は第二次世界大戦以来の危機に直面している」と、自身の政治的見解にもとづく欧州の先行をこのように予測した。

「内部戦争が起こるのか国同士で争うのかは分からないが、2030年までには消えてなくなっていることは確かだろう」

ハンズ氏が米ブルームバーグに語ったところでは、ナショナルコンセンサス(国家間合意)とポリティカルコンセンサス(政治的合意)の崩壊がその背景にある。「今欧州では20年ぶりに右翼派と左翼派がぶつかり合おうとしている。それによって中立派は政治的スペクトルを失いつつあるのだ」


英投資家ジム・メロン氏も「フランス、イタリアもギリシャと同じ運命」

こうした懸念を抱いているのは決してハンズ氏だけではない。英BBC放送のインタビューに応じた英投資家ジム・メロン氏は、「ギリシャ同様、フランスとイタリアも15年以内には『借金のスパイラル』に陥るだろう。そうすればEU連合は終結だ」とコメントした。

スイスのUBSインベストメント・バンク投資銀行部門の責任者アンドレア・オーセル氏もそうした動きを踏まえた上で、欧州における経済パニックの可能性を示唆している。「全体的に好ましくない状況です。超低金利金融政策による資産バブルがリスクを高めているのです」


EU崩壊が引き起こす経済パニック対策

オーセル氏が率いるチームのトレーダーは平均年齢が30歳ということもあり、株式市場経験も浅い。オーセル氏は「プリモータム」(利上げ、ボラティリティなどによって起りうる事態を想定して行うシミュレーション)を毎日のように用いてチームの強化にあたっているが、準備に準備を重ねても不足だという。「いずれ巨大な波が起るのは確実ですが、それに備えることは非常に難しいと思います」

経済の専門家達がこぞって予言するEUの崩壊。「備えあれば憂いなし」で乗り切れれば良いのだが……。(ZUU online 編集部)

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