英国FinTech企業
(写真=HPより)

世界各地で盛り上がりを見せているFinTech(フィンテック)。その中心都市の1つと目される英国ロンドンで活躍する3人の女性エキスパート――ジュリー・レイク氏(英フィンテック・シティー共同設立者)、リズ・ラムリー氏(英スタートアップ・ブートキャンプ常務)、クレア・コッカートン氏(英ENTIQのCEO)――はファイナンスの未来とFinTechで勝つための方法についてどう考えているのだろうか。


ロンドンが「FinTechのグローバルリーダー」である理由

レイク氏とラムリー氏は、「FinTechが発展途上にある他の都市にとって、ロンドンは素晴らしいロールモデル」と指摘する。その理由として、銀行やテクノロジーが発達している点のほか、突出した才能と投資機会が多いことを挙げている。ロンドンの強みとして、ほかにも政府や規制監督当局からのサポートも万全で、金融サービス機関(FSAやPSR)も積極的な姿勢を見せているという点もある。

一方でコッカートン氏は「『規制する側』と『規制される側』の力関係を改善し、透明性をもって連携プレーを行うべきだ」と弱点を指摘する。

規制監督当局へのアプローチやデジタル金融サービスなども含めて、FinTechの浸透はスタートアップが新しい事業を展開しやすい環境を生み出した。既存の大手金融機関がスタートアップと手を組めば、更なる金融革命が訪れるはずだ。


英FinTech企業の経営者にとっての2016年の最優先事項

英国のFinTech企業にとっての2016年の最優先事項は何だろうか。レイク氏は「海外での拡大化を意識しつつも国内の事業に専念すること」という。ラムリー氏は銀行APIの設置、そしてコッカートン氏はP2P と並ぶ革命ツール、DLT(Distributed Ledger Technology、分散型台帳に関する技術)の導入を提案する。

「DLTが主流になるには時間を要するでしょうが、私なら既にDLTを取れ入れている企業の利益を分析します」と、クラウドシステムが勢いを増す中、DLTとP2Pが従来の非効率的な金融システムに取って代わる日が近いことを強調する。


FinTech業界で活躍する女性は増えるのか

女性の企業家が大成功を収めた例が世界中に沢山あるにも関わらず、女性企業家が『著名な男性企業家』と同じ土俵に立ちにくいのは周知の事実だ。

ラムリー氏は金融業界に限られたものではなく、政治的背景が強いと指摘。「女性のスタートアップを支援し、イベントやカンファレンスのスポークマンとして活躍する機会を増やせば、FinTech業界で活躍する女性の数も自然に増えるはずです」

そうした壁を打ち砕くために、ENTIQは女性企業家を育成するプロジェクト「@Fin4Fem 」を実施している。女性がFinTech業界に進出することで、金融業界が渇望している“新しいアイデア”が生まれる可能性が広がるだろう。(ZUU online 編集部)

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