ランチに行くOL
(写真=PIXTA)

働く女性の平均年収や貯金額、老後のための準備資金はいくらぐらいなのだろう。フィデリティ投信はこのほど、「勤労者3万人アンケート」(2014年)の中から、女性の回答を取り出し、未婚者、既婚者別に詳しく分析を行った。その結果、20〜50代の女性1万4000人のさまざまなマネー事情が浮かび上がってきた。


平均年収は262.6万円

まずは気になる平均年収から見てみよう。

<平均年収>全体平均262.6万円
20代 未婚:227.7万円 既婚:274.5万円
30代 未婚:263.2万円 既婚:288.2万円
40代 未婚:290.1万円 既婚:244.5万円
50代 未婚:345.6万円 既婚:257.4万円

女性の平均年収は30代、40代で大きく変化が見られる。30代までは既婚者の方が高いのだが、40代で未婚者が逆転し、50代になるとその差が広がる。

これは雇用形態が大きく関係している。働く既婚女性のうち、正規雇用の割合は20代の58%をピークに下がり続け、30代で42%、40代で32%、50代で30%まで落ち込んでしまう。出産、子育てを機に働き方が正規雇用から非正規雇用に変わり、年収を下げざるを得ない事情が見えてくる。未婚者の場合、正規雇用の割合は50%-56%で推移していた。

預金などを含めた保有資産はどうだろう。

<保有資産>
20代 未婚:617.8万円 既婚:589.2万円
30代 未婚:717.1万円 既婚:663.3万円
40代 未婚:884.5万円 既婚:825.5万円
50代 未婚:1158.3万円 既婚:1251.6万円

こちらは未婚、既婚にそこまで大きな違いはみられなかった。ただしアンケートでは資産を夫婦それぞれに分けているのではなく、家庭単位で聞いていることに注意が必要だ。既婚者と未婚者の資産がほとんど変わらないということは、1人あたりで考えると既婚者は未婚者の約半分ということになる。本来なら、既婚者は未婚者に比べてもっと多く用意しているべきだが、そうなってはいないというのが現状である。