(写真=HPより)

不動産流通経営協会(FRK)が2015年12月からヤフーへの情報提供を停止することを発表した。きっかけはヤフーがソニー不動産と資本提携としたことで、情報の中立性を損ねるということが理由だ。消費者からするとあまり無関係な話題にも思えるが、実はこのニュースは業界内では賛否両論が分かれ話題となっている。

FRKとは何をする組織か 全国の流通機構がレインズを運営

FRKは一般社団法人で、不動産流通を担う大手・中堅の住宅・不動産会社を会員とする法人。不動産物件の情報交換事業をはじめ不動産流通に関する調査研究など、不動産取引の適正化、円滑化と不動産流通に関する諸制度の改善に取り組んでいる業界団体だ。

全国の支部が、東日本不動産流通機構、中部圏不動産流通機構、近畿圏不動産流通機構、西日本不動産流通機構という4つの公益法人の指定流通機構の構成団体として運営に参画している。

これらの指定流通機構はレインズ(REINS:Real Estate Information Network System)と言われる不動産の物件情報を扱っているネットワークシステムを運営している。

レインズについては、宅建業者しか利用できないシステムで、全国の売買や賃貸の物件情報を見ることができる。物件情報だけなら、通常のインターネットで見ることのできる情報サイトと変わらないが、レインズの最大の特徴としては、実際の成約情報が見られる点である。

不動産売買の世界では、売り値と決まり値に差があるが、一般消費者は成約価格がどれくらいか分からないため、価格交渉がしにくい。ところが宅建業者はレインズによって成約価格情報を得ることができるため、そのエリアの実際の相場がいくらなのかを把握することができるのだ。