実質的な締め出し?

ソニー不動産はこのような業界の歪みに目をつけ、買い手や売り手のどちらかに専属の代理人をつける制度を導入した。

また仲介手数料も実際にかかったコストだけを請求する金額設定にしており、仲介手数料が大きく下がることが期待される。このようなソニー不動産の取組は消費者に取ってはありがたい存在だが、一方で不動産業界の一部事業者にとっては目障りな存在となった。

そのためFRKがソニー不動産と資本提携しているヤフーに情報提供の停止に踏み切ったのは、ソニー不動産を弱体化させるためという思惑が見え隠れする。

業界内外から反発を受けているFRK

東日本レインズを利用している宅建業者に対しては、2016年4月からの利用有料化が決まっている。

そのため今回の騒動とは別に、業界内からFRKに対する反発もある。宅建業者にとっては、ヤフーへの情報提供云々は大した問題ではなく、実はレインズ有料化のほうがインパクトは大きい。

不動産業界はこれまで「情報の非対称性」で成り立っていた部分があるため、情報が有料化されてしまえば、必然的に小さな不動産会社へ与えるダメージは大きくなってしまうのだ。

最近では、この部分に目をつけて、消費者の側に立ったサービスをITを活用して提供する「Real Estate Tech」が注目されている。ZUU onlineでも先日、いくつかの企業やサービスを紹介したばかりだ。

「情報」という力を握ったFRKのやり方に対しては、「横暴だ」という反発の声は小さくない。業界内からだけでなく、外からも反発を受けているFRKは今や、岐路に立たされていると言っても過言ではない。

FRKは一体、誰のための組織なのか。情報化社会が投げかける疑問への答えは、当事者であるFRKからは提示されるのだろうか。(ZUU online 編集部)

【訂正のお知らせ】FRKの支部とレインズを運営する機構との関係について誤解を招く表現がありましたので、これを改めました。