(写真=ルワンジュ東京)

スイーツを前にシャンパン…「非日常感」求めて

ショーウィンドウに並ぶ宝石のようなプチガトーは、ルワンジュ東京が提唱する食文化の象徴だ。1個800円からでありながらも、はるかに大きな価値を併せ持っている。「SALON DE LOUANGE」では、それを社交サロンの空間として表し、ワインを楽しむ時間にして、会員に提供している。

「SALON DE LOUANGE」で販売するスイーツは非会員でも1個から購入できる。本格的なスイーツだけを楽しみたい人も気軽に買えるのは嬉しい。サロンのうわさを聞いた近隣在住の主婦が欲しい数だけ持ち帰ることも多いという。

顧客の多くはきっと西麻布周辺のマダムたちなのだろうと思いきや、意外にも「顧客の約9割が男性」と林氏は話す。見た目にきれいで味わい深いスイーツを前に、シャンパンの栓を抜き、ワインを味わう一時を楽しむ。そんな、ある種の「非日常感」を求める大人の男性からの入会申し込みが相次いでいるのだ。いわゆる“可愛いスイーツ“の流行とは異なる空間を作り、大人のためのスイーツ文化を提唱しているサロンなのである。

医師や士業、経営者…会員は高額所得者

スイーツだけを楽しむのなら、入会金に含まれる商品券を使用すれば十分にこと足りる。一方で、サロンの個室やVIPルームを予約して、スイーツと一緒に年代もののワインを開けたり、食事を楽しんだりする場合は、ワインの値段によっては1回の支払い額が数十万円になることもあるという。

そのためか会員は高額所得者が多いそうで、例えば医師や士業、経営者などがいるという。オフィス街や繁華街から離れた落ち着いた雰囲気のサロンで日常の忙しさを忘れることができるのだろう。VIPルームには大型モニターが備わり、気の置けない仲間と会話を楽しんだり映画をみたりと、くつろいで過ごすことができそうだ。

ルワンジュ東京オーナーの越智通隆氏は大学卒業後に起業し、PR関係の仕事を通じて世の中と接する感覚を養ってきたという。家族がフレンチのレストランを営んでいたこともあり「食」への造詣とこだわりが深い。そんな越智氏のもとに才能あるパティシエが集まり、厳選した産地や生産者から仕入れた食材を使い、独創性の高いスイーツを提供する。

こだわり抜いた素材と意匠で作るスイーツと、派手すぎない落ち着いた空間には、もう一度、訪れたくなる魅力がある。「SALON DE LOUANGE」は甘すぎない大人の社交場であった。

橋口義彦
Harry Hood Inc.有限会社ハリーフッド

【関連記事】

・Googleは従業員の血糖値がKPI、ゴールドマン深夜残業禁止 米国で進む「健康経営」

・11月4日、郵政上場初日の値動きに合わせた投資戦略を徹底公開

・日本人大富豪ランキング トップ20の顔ぶれはこれだ!

・日経新聞/日経MJから、四季報まで全てネットで閲覧可?その意外な方法とは

・世界が認めた日本車!「最も価値の高い自動車ブランド ベスト10」頂点に輝いたのはあの日本ブランド?