ロボット・アドバイザーの急激な需要の高まりに懸念を感じたバンク・オブ・アメリカは調査を行い、このままテクノロジーが進化を続ければ、10年以内には製造業の45%が機械化され、9兆ドル(約1103兆4900億円)の人件費が削減されるという分析結果を発表した。


今後の主要顧客 ミレニアル世代に合わせた改革

低コストと手軽さで従来の金融コンサルティングの常識を覆した革命ツール、ロボット・アドバイザー。A.T. カーニーやメリルリンチなど米大手金融関連ファームがこぞって導入に乗り出した今、新しい顧客を獲得するうえで、投資業界では必須の新サービスとして定着しつつある。

しかし一部ではこうした風潮が「テクノロジーの侵略」と受け止められているのは明らかだ。バンク・オブ・アメリカは「技術革命の幅が広がるにつれ、ロボットと人工知能の参入が全てのセクターに打撃を与えている」とレポート内でコメント。「共存」を目指してロボットの採用に力を入れている企業とは異なるスタンスを示した。

これまでロボットが人間にとってかわる流れは労働市場に限られていたが、ここ数年でテクノロジーがもたらした新たな革命は、中間層の職業にも大きな変化を起こしつつある。とりわけロボット・アドバイザーの出現は投資コンサルティング業界に大きな波紋を呼んでおり、将来的な顧客世代の移りかわりにともない、ロボット・アドバイザーの需要が益々伸びると見込まれている。

米ウェルスフロントの顧客の60%がミレニアル世代(18歳から34歳)であるという事実が示すように、今後は従来型のコンサルティングよりテクノロジーを屈指した新型コンサルティングを好む世代が今後の主要顧客となるだろう。


「20年以内には金融関連業界がロボット化される」

バンク・オブ・アメリカは「20年以内にはロボット化された金融関連業界から、2500万件の職が消えているだろう」とレポートを締めくくっている。

しかし元来テクノロジーの革命や進化は需要から生まれるものであり、消費者の需要が増加傾向にある現代社会では、「テクノロジーと競う」ことよりも「テクノロジーとの共存」に焦点を絞る方が得策ではないだろうか。 (ZUU online 編集部)

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