FinTech(フィンテック)を代表するジャンルであるロボット・アドバイザーは、金融界の厳しい生存競争に打ち勝って次世代顧客を開拓するための必須ツールとして、独立系ブローカー、ディラー、既存のアドバイサリー・ファームを問わず、先を競うように導入に乗り出している。

新たな顧客開拓に必須の革命的ツール

LPLファイナンシャル、ウェルズ・ファーゴ、メリル・リンチなど、2016年にかけてロボット・アドバイザーによるサービスを開始する米大手金融機関は後を絶たず、大御所モルガン・スタンレーなども導入を検討しているという。

ロポアドの導入は、テクノロジー化を好む若い世代や小口投資家といった新たな顧客層を開拓する上で、広告などよりもはるかに効果的かつ効率的な手段として受け止められている。

チャールズ・シュワブは41億ドル資金調達

ライバル企業の一歩先を行く米オンライン証券会社、チャールズ・シュワブは、3月に導入したリテール顧客向けロボアド「インテリジェント・ポートフォリオズ」、6月に導入した「インテリジェント・ポートフォリオズ」に、ミューチュアル・ファンドと有価証券の追加を検討していることを、11月10日に米ボストン州で開催された第25回シュワブIMPACTカンファレンスで発表した。

サービス開始時期などの詳細は明らかされていないが、ウォルト・ベッティンジャーCEOは「幾つかのプロジェクトは既に起動中だ」とコメント。

両ロボアドともに、低コストで人気が高まっているETFポートフォリオ専用の顧客に提供されており、41億ドル(約5037億8340万円)の資金調達に成功している。

ロボアドの人気行き過ぎに「過剰な反応だ」

しかしベッティンガーCEOは、こうした”猫も杓子もロボアド”といった風潮を「過去15年ほど例を見ない過剰な反応だ」と若干懐疑的な様子だ。

普及が進めば進むほど、新たな競争が生まれることが予想できる。現在多くの金融機関がロボアド導入のプレッシャーを感じているように、近い将来は「単なるロボアドの枠組みを超えたサービス」といったプレッシャーが芽生えるだろう。

そうした観点から、今後ロボアドには多角化が求められることが推測される。ベッティンガーCEOは「競争が革命を生む」と、プレッシャーの高まりがプラス要素を含んでいることを指摘している。 (ZUU online 編集部)