外貨
(写真=PIXTA)

日本にいて「外国通貨での決済」のニーズがあるのは主に外国人観光客だが、実は日本人にとっても結構便利なものなのだ。少しずつだが外国通貨決済に対応した店も増えてきている。


ドンキや浅草の商店街では外国のお金で買い物できる

1月末から2月上旬は中国の旧正月「春節」。この時期は中国などからの観光客数が一気に増える。今や「爆買い」は定着した感もあり、都内各地の買い物スポットでは中国など外国からの観光客、買い物客を見ない日はないが、「春節」の時期はさらにその数が増すだろう。

外国人から人気を集めている店の1つがディスカウントストア「ドン・キホーテ」だ。クリスマスやハロウィンなどの時期に重宝するパーティーグッズから衣料品、家電、コスメや食料品など何でもそろう24時間営業の“驚安の殿堂”。最近、日本らしい土産品も充実させている。また全店が免税対応で、Wi-Fiも利用でき、外国語のPOPも充実させている。

そのドン・キホーテが今年、外国の通貨での支払い対応を始めた。中国人民元、米ドル、韓国ウォン、ユーロ、タイバーツ、台湾ドル、香港ドルの7種類で、紙幣のみだ。「自国の通貨で支払いたい」「余った日本円を使い切るときに足りない分は自国の通貨を充てたい」というニーズにこたえたもので、高い人気を集めているという。

同様の取り組みは浅草の商店街でも実施されている。商店街が注力していることもあって、浅草周辺では外貨で買い物できる店舗が増えているのだ。


カード決済時に円で払うか自国通貨にするか決めるサービス

外国通貨の決済サービスは、別の形でも充実しつつある。紙幣での支払いではなくカードでの支払い時でも利用できるようになりつつある。

プリンスホテルは今年7月から、カード決済時に決済する通貨を選択できる「多通貨決済サービス」を開始した。新宿プリンスホテルとサンシャインシティプリンスホテルなど都内のホテルから導入、全国のホテル、ゴルフ場、スキー場への導入を目指しすという。

外国人旅行客がクレジットカードで支払う時、通常は円建てで決済し、為替レート確定後に自国通貨で換算された決済額が通知されるが、この「多通貨決済サービス」では、カード利用時に自国通貨での金額も提示され、円建てと、自国通貨のどちらかを選べるため、「為替レートにによるリスク」を気にせずに買い物できるという訳だ。