世界最大の保険組織、ロイズがデータ・アクセスの改善と事務処理業務のコスト削減に向け、ブロックチェーンの採用を検討していることを、11月下旬にロンドンで行われたセミナーで明らかにした。
ブロックチェーンでリスク低減、業務の効率化を図る
ロイズは現在「ターゲット・オペレーティング・モデル(TOM)」という企業改革プログラムに参加しており、多くのライバル同様、厳しい業界競争に打ち勝つための戦略と改革に力を入れている。
あらゆる分野へのテクノロジー導入が「次世代」から「常識」に変化しつつある今、ロイズがブロックチェーンの利点を保険業界に持ち込もうとしても不思議ではない。
ロイズのオペレーション・ディレクター、シュライン・カウリーハク氏は、「ブロックチェーンを採用することで、我々の業務から記録に関するリスクが低減し、透明で正確、かつ迅速なプロセスが期待できる」とコメントしている。
ブロックチェーン情報共有所「ディール・ルーム」が市場を変える
このセミナーではP2Pレンディングやオルタナティブ決済など、テクノロジーに焦点を絞ったビジネス改革法が紹介されたほか、英グレシャム大学のマイケル・メインネリ名誉教授が、「ロンドン市場のビジネスの常識を覆す革命」として、媒介に依存することなく安全に書類などが共有できるブロックチェーン・システム、「ディール・ルーム(取引所)」を提案した。
「誰が、誰に、いつ、いくら送金したか」という保険業界にとって必須のデータを、ディール・ルームに安全に保管し、必要な時に引き出せるというわけだ。
ディール・ルームと類似するテクノロジーは既に存在するが、殆ど市場には普及していない。英シンクタンクZ/Yenの会長でもあるメインネリ名誉教授は、ロンドン市場を国際的に魅力的なビジネスの場だとアピールするツールとして、ディール・ルームを促進していく意思を表明。「ディール・ルームの成功は、ロイズだけではなくロンドン市場の恩恵につながるだろう」と、今後の英保険業界の方向性を打ち出した。 (ZUU online 編集部)
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