世界で初めてビットコインでの支払いを取り扱った米小売店として一躍注目を浴びたオーバーストックが、赤字の子会社メディチの分社準備に入ったことを明らかにした。

同社はブロックチェーン・トレーディング・プロジェクトの一環である暗号証券取引所「t Ø .com」の立ち上げにともない設立されたが、相次ぐ多額の投資にも関わらず採算が合わず、オーバーストックとしてはこれ以上利益を二の次にはできないと判断したと思われる。


メディチへの多額の投資で今期は2億円以上の赤字

有価証券の即時取得やトークンを利用したプラットフォーム上の空売りなど、ブロックチェーン・テクノロジーを屈指したt Ø .comは革命的なプラットフォームではあるが、どうやら予想以上の“金食い虫”のようだ。

tØ.comの運営にあたり、今年に入って800万ドル(約9億7964万円)、8月に買収した米トレード・ルーティング・ファーム、スピード・ルートの初期カバーとして3000万ドル(約36億7365万円)が投じられたにも関わらず、今期は210万ドル(約2億5715万円)の赤字を出した。これは9回連続で好調な四半期決済報告を行っていたオーバーストックにとって、非常に手痛い結果だったと思われる。


分社化で株主の利益を最大限に追求

オーバーストックはt Ø .comのサービスを促進する目的で、ウォール・ストリートにブロックチェーン・テクノロジーを直接採用できるサービスを提供していたスピード・ルートをメディチに組み込んだ。

また今年初頭にはオルタナティブ・トレーディング・システム(ATS)、PROセキュリティーの株の一部(25%)の買収にも着手している。

こうした一連の積極的な事業展開が実を結び、これまでのところクリプト・キャピタルを構成するうえで重要な5つの暫定特許を提出し、「t Ø .comが採用しているテクノロジーの大いなる可能性」について、ウォール街の最高幹部と協議段階に入っているという。

しかし今年メディチに投じられた金額は、そのほかの諸経費などを追加すると800万ドルを超えると予想されており、パトリック・バーンCEOは「ブロックチェーン・システムをステップアップさせるうえで必要不可欠な出費だ」という点を明確にしつつも、「メディチとオーバーストックの共存は難しいという結論に到った今、分社化にという形で株主の利益を最大化する方法を積極的に探索中である」とコメントしている。 (ZUU online 編集部)

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