(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

今期3期ぶりの最高益へ 一段の増配が今後の焦点か

パーク24が15日に発表した2015年10月期の業績は増収増益となりました。売上高は前期比7%増収の1797億円、営業利益は同6%増益の187億円で、売上高、営業利益とも会社計画にほぼ沿う格好での着地となり、営業利益は消費増税の影響で1割の減益となった前期から増益に転じました。

事業別の営業利益をみると、主力の駐車場事業は消費増税の影響が期の途中まで残り前期比2%減となって会社計画も下回りましたが、計画を大きく上回って大幅増益となったカーシェアリングやレンタカーのモビリティ事業が駐車場事業の落ち込みをカバーし増益を確保しています。

そのモビリティ事業では営業利益が前期比2.7倍の28億円となっています。カーシェアリングでの法人会員利用促進による平日売上げの向上などにより売り上げが伸びる一方で、ガソリン価格の低下などでコストが低下し大幅増益となりました。

消費増税の影響が残り減益となった駐車場事業ですが、4月以降回復傾向がみられます。このため2014年11月から2015年3月までの経常利益は前年比15%減の水準に落ち込んでいましたが、それが2015年4月から10月でみると同20%増と前年を大きく上回る格好となっています。

今期の駐車場事業の営業利益は前期比8%近い増益に転じる見通しですが、7月から回復がより鮮明となってきていることから実現可能性は高いといえそうです。モビリティ事業の収益改善も続くとみられ、今期の営業利益は前期比13%増の212億円と2013年10月期の195億円を上回って過去最高益を3期ぶりに更新する見込みです。

今期の1株当たりの配当は前期を5円上回る60円となっています。期初段階での増配発表は珍しく業績への自信のあらわれともとれます。しかし、増配ながら配当性向は64.7%となる見込みで、前期や前々期の70%程度から低下します。一段の増配に対し会社側の歯切れはよくないものの、業績が上振れるようだと増配への期待も高まりそうです。

金山 敏之
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト

【関連リンク】
常軌を逸した政策 株価急落の真相
アベノミクス相場で外国人持ち株比率が大きく上昇した銘柄は
利上げとイエレンFRBの決意
クリスマス休暇に入り小動きの展開か
中国株 中央経済工作会議の政策決定を睨みながらの展開か IPO再開による需給悪化に要注意