いきなり丸暗記では話せるようにならない
英語語順に習熟するためには、「頭で理解」するだけではまったく不十分です。その語順をいつでも作りあげることができるように、徹底的に身体に叩き込まねばなりません。
具体的には、語順を意識しながら「音読を重ねること」。基本がわかったあとは、数多くの会話文を、最終的には無意識に言えるようになるまで、徹底的に音読し続けることが肝心です。丸暗記ではありませんよ。ネイティブと同じように意識を動かす訓練をする。このトレーニングの目標は、そこにあります。
この語順音読トレーニングは、同時に、会話力も飛躍的に高めてくれます。トレーニングをしながら膨大な会話文を頭に入れることができるからです。
なぜ私たちは、なんの苦労もなく、日本語でスラスラと会話ができるのでしょうか。それは、あらかじめ膨大な表現が頭に入っているからです。いくら「to不定詞の名詞的用法」なんていう文法用語を覚えても、会話には役立ちません。浴びるように音読し、ガンガン、文を飲み込んでいく。そこに英語上達のコツがあるのです。
騙されたと思ってやってみてください。読むこと、覚えること、身体に叩き込むことが、どんどん楽しくなってくるはずです。英語学習はみなさんが楽しんできたスポーツとなんら変わるところがないのです。
大西泰斗(おおにし・ひろと)東京学園大学教授
1961年、埼玉県生まれ。筑波大学大学院文芸言語研究科博士課程修了。英語学専攻。オックスフォード大学言語研究所客員研究員を経て、現在、東洋学園大学教授。NHK語学番組の人気講師。
(取材・構成:川端隆人)(『 The 21 online 』2016年2月号より)
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