英語の「意識の動き」をマスターしよう

再び英語を志そう、英語を話そうとする方々が最初に考えるのはおそらく、「基本的なことだから、中学英語の文法に戻ろう」でしょう。でもそれは良い選択とは言えません。学生時代と同じことの繰り返しになるだけです。大切な語順を学ぶことができませんから。

語順のルールはとてもシンプル。その気になれば1時間で理解できてしまいます。

一番大事なのは、英文には、(1)他動型、(2)自動型、(3)説明型、(4)授与型の4つの基本文型があり、すべての英文はこれに基づいて作られているということ(下図参照)。まずはこの4つのパターンを理解することから始めましょう。

英文法2

このときに大事なのが、ただ理解するだけではなく、「語順は心(意識)の順番」だということをしっかりと肝に銘じることです。

たとえば、I met her at a bar in Roppongi.という文を「六本木のバーで……」と考えたら、それは英語ではありません。I met her(彼女に会った)……どこで会ったのか……バーで……どこのバーなのか……六本木の。これが英語の心の動き方です。

語順に心を沿わせていけば、どんなルールで英語語順ができているかが容易に推測できるようになるはずです。

英語の意識は、厳密に語順どおりに動いています。She is a student.では、私たちはstudentにaがついていると考えがちですが、ネイティブはa→studentと語順どおりに意識しています。

ネイティブは時折、口ごもってShe is a……と言葉を探すときがあるでしょう? studentにaがついているとすれば、aのうしろで口ごもるはずはありませんよね。

「彼女の職業を紹介しよう」と考えた瞬間、She is a……までは自動で出てくるのです。だって、職業ですから、そうした人たちが大勢いる中の1人=aがまず意識されるのは当たり前。それから適切な単語を選んで、studentで文を終えるのです。

英語を話すということは、煎じ詰めると、適切な表現を適切な順番で並べるというだけのことです。だからこそ、語順に対する感性を磨くことが何よりも大切なのです。