マイナス金利,MRF,MMF
(写真=PIXTA)

証券会社に口座を作って入金すると、実はそのお金で自動的に金融商品を購入することになる。それが「MRF(マネー・リザーブ・ファンド)」だ。このMRFに対して、日銀がマイナス金利を適応しないという例外措置を打ち出した。なぜMRFには例外措置が適用されたのか。MRFと似た名前のMMFについても解説する。

証券会社に預けたお金で購入されるMRF 残高は10兆円!

マイナス金利の導入でさんざんニュースになったが、銀行は日銀の当座預金にお金を預けており、この当座預金に対して日銀はマイナス金利を適用した。投資家が証券会社に入金したつもりの資金も、MRFの買い付けに当てられ、この資金も信託銀行を通して日銀の当座預金に一部が預けられている。銀行の総合口座のようなものだ。日銀の当初の方針では、このMRFの資金についてもマイナス金利を適用する考えだった。

しかし約10兆円ともいわれるMRF残高に対して、マイナス金利が適応されると元本割れのリスクがある。その元本割れ部分を穴埋めするには、運用会社にしてみれば、年100億円程度の負担が発生する恐れがあった。そこで証券業協会の声を受け、日銀はMRFをマイナス金利の適応外とすることを決めた。

こうした日銀の対応に手放しで喜べない事情もある。MRFは公社債の中でも短期の金融商品を中心に運用され、信託銀行がその運用資金を管理・保管しているのだが、マイナス金利の適応外となるのは、昨年の受託残高が上限となり、残高のすべてが対象になるわけではないのだ。

マイナス金利でMMFは購入停止 大和は資金を返還すると発表

そもそもMRFについて理解している人はどれくらいいるだろうか。投資家の目線で見ると、MRFは株式に投資していない資金を置くただの器に見える。だがこれは高格付けの公社債や短期金融商品で運用されている投資信託の1つだ。購入単位は1円以上1円単位で、手数料なしでいつでも換金できるのが特徴だ。株式や公社債の利金、分配金や売却代金をMRF置いておけば、利子がつかない預り金よりは、収益が期待できる。

一方、MRFと似ているものにMMF(マネー・マーケット・ファンド)がある。大きく異なるのは、MMFは投資家自らが申込み手続きをしなければいけない点と30日未満での解約には信託財産留保額がかかる点だ。

以前は換金性重視ならMRF、利回り重視ならMMFと考える人もいたが、ここ数年は利回りに大きな差はなく、マイナス金利導入後、MMFを販売している国内11社すべてが事実上の購入停止措置を取っている。運用益の確保が難しく、元本割れの可能性もゼロではないため、今後償還が予想されていたが、3月31日には、大和証券投資信託委託がMMFの運用を終え、資金を顧客に返還すると発表した(償還日は10月31日予定)。他社も追随する可能性もありそうだ。

公社債への投資なら元本割れはないだろうと思われる人もいるかもしれないだが、過去に1度元本割れを起こしたこともある。2001年に起きた「エンロン事件」のときだ。これはアメリカのエネルギー商社エンロンに粉飾決済の疑いが持ち上がった事件。同社の債券が大幅に値下がり、この債券に投資していたMMFが打撃を受けたのだ。結局エンロン社は事実上の倒産となり、投資していた日興アセットマネジメントの日興MMFなどが元本価額1万円を割り込む事態となった。元本保証でないの商品に投資している以上、このケースのように元本割れのリスクもある点は頭に入れておきたい。

今一度 投資商品の中身を再チェック

黒田総裁は2%の物価安定目標達成のため「できることは何でもやる」と、いまだ強気の姿勢を崩していない。MMFに投資している人はMRFに置き換えるなど、投資家としては今一度考えるタイミングに来ている。(ZUU online編集部)

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