メガバンク
(写真=PIXTA)

日本銀行の「マイナス金利政策」の導入を受け、さまざまな影響が出ている。マイナス金利政策の目的は、市場に資金がより潤沢に供給されるようにすることだ。そのために、金融機関が日本銀行に預けている当座預金の一部の利子をマイナスにしたのだ。

しかし、マイナス金利政策の発表後、為替相場や株式相場は乱高下している。これから資産運用を始めようとしていた初心者の中には、こうした動きを見て二の足を踏んでいる方もいるのではないだろうか。「初心者だから資産運用なんて無理」「銀行預金だけで十分」。そう考えている方は、マイナス金利の今こそ、資産運用の必要性を認識すべきである。

ますます必要になる資産運用

「老後の生活は年金があるから大丈夫」。今では、そんなのんきなことを考えている人はいないだろう。2016年2月15日、安倍晋三首相は衆院予算委員会で、最近の株価下落により年金積立金管理運用独立行政法人 (GPIF) の運用損拡大が指摘されていることに関連し、「想定の利益が出ないなら当然支払いに影響する。給付に耐える状況にない場合は、給付で調整するしかない」と述べ、運用状況次第では年金支給額の減額もあり得るとの認識を明らかにした。老後の生活を年金に頼るリスクを首相自身が認めたのだ。もはや、「初心者だから難しい資産運用に手を出す必要はない」などと言ってはいられない。自分の年金は自分で確保しなければならないのだ。

それに輪をかけるように、「マイナス金利政策」が生活を直撃する。住宅ローン金利の引き下げは、これから住宅を手に入れようとする若年層にはうれしいニュースだ。しかし、その恩恵を受けることができる人は限られている。誰もが住宅を購入しようとしているわけではないし、すでに多額のローンを返済してしまった人にとっても手放しで喜べる話ではない。むしろ、預金金利低下の影響を受ける人のほうがはるかに多いはずだ。

過去の郵便貯金の金利を調べると、期間10年の定額貯金の最高金利は12%。これなら、10年間複利で運用すれば3倍以上に増える。元本保証があり、しかもこれだけの利回りが得られるのであれば、預貯金だけでも十分な資産運用といえる。むしろ、リスクを取って株式投資や投資信託を購入するよりも、堅実な資産運用といえたのかもしれない。

しかし、今や状況は一変した。年金は老後の生活を保障してくれない。預貯金の金利も限りなくゼロに近い。もはや、資産運用に目を背けることはできなくなっている現実を思い知らされる。

初心者はまず銀行預金を見直そう

資産運用の必要性をご理解いただけただろうか。しかし、初心者が運用についての知識を全く持たないまま、資産運用を始めるのは無謀だ。株投資の場合、誰もが証券会社に口座を開設し、株式投資を始めることができる。そのうえ、資産運用では初心者だからといって特別扱いされることはない。初心者も、百戦錬磨のヘッジファンドのトレーダーと同じ相場、同じ条件で取引することになる。だが、初心者だからこそ与えられた特権がある。プロは決められた期間に一定の収益を稼ぎ出す必要があるが、初心者はこれからゆっくりと投資を学ぶ時間が与えられているのだ。

初心者の資産運用を支える商品として、定期預金の存在は欠かせない。定期預金は、万が一金融機関が破綻しても、一定の条件のもと預金保険機構が直接保険金を支払ってくれる預金保険の対象となっている。以前ほど、このペイオフ (預金保険制度) に対する関心は高くないとはいえ、元本保証があるという安心感は何ものにも代えがたい。

実は、こうした条件を満たしながら、メガバンクの4倍以上もの金利がつく定期預金が存在する。その多くは証券会社が出資しているネット銀行だ。「貯蓄から投資へ」のゲートウェイ銀行として、独自の「証銀連携」ビジネスモデルをより一層進化させたとしているだけに、魅力的なサービスを展開している。

高い金利を得られることも魅力だが、証券会社と系列銀行の両方で口座開設を行い、両口座を連携すれば資産運用の利便性が一気に高まる点に注目したい。銀行口座と証券口座間で資金を振り替えることにより、投資の待機資金を、円普通預金、外貨普通預金で運用することも可能になる。外貨普通預金であれば、相対的に高い金利の通貨を選択することで、より高い運用利回りが期待できるほか、為替差益を狙うこともできる。当然、元本が減少するリスクもあるが、運用の初心者が資産運用の幅を広げるにふさわしい金融商品といえるだろう。

資産運用ビギナーであれば、まずは証券会社で口座を開設し、系列の銀行で定期預金取引を始めてみてはいかがだろうか。今すぐリスクの高い資産運用を始める必要はない。自信が持てるまでの間、定期預金に資金を待機させておけばいい。資産運用はその一歩からスタートするのだ。
(提供: 大和ネクスト銀行

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