米マーケティング会社IDCによる「ファイナンシャル・インサイツ・イノベーション・アワードASIA」で、日本のエヌエヌ(NN)生命保険が「アジア太平洋次世代保険証券賞」を受賞した。「最優秀銀行賞」は合計3部門で受賞したシンガポールのDBS銀行に贈られた。

今年で11回目となったこのアワードは、市場の需要に敏感に反応し、効果的に商品やサービスの開発に挑んでいるアジア企業に贈られる。授賞式は3月3日にシンガポールで開催された「アジア・ファイナンス・サービシズ(AFS)・コングレス」で行われた。

日本受賞企業はオランダ生まれのNN保険

一般消費者にはあまりなじみがないかもしれないが、NN生命は中小企業向け法人商品を提供している保険会社だ。オランダ生まれの保険機関NNグループの子会社として1986年に日本に上陸後、昨年現在の社名に変更された。日本国内では5000店以上の代理店を通し、中小企業の事業保障など多様な需要に見合ったサポートを行っている。

オンラインツールへの高レベルなセキュリティーやクラウドシステムの採用など、早い段階における積極的なFinTech化が評価につながった。

アワードではNN保険に代表されるような、時代の流れに見合った発想と戦略で証券産業を盛り上げているアジア企業が勢ぞろい。先物業界全セクターの会員によって構成されているフューチャーズ・インダストリー・アソシエーション(FIA)のメンバーで、アワードの審査員を務めたホ―・スイ・ジョン氏は、「今年の受賞企業は単に改革や変化に対応しているだけではなく、秀でたエコシステム、構造的制限 、ビジネスと効果的に平行している」とコメントした。

DBS銀行が3部門、中国信託商業銀行が2部門を制覇

最も脚光を浴びたのは「アジア太平洋最優秀銀行賞」を含む3部門で賞を獲得したシンガポールのDBS銀行(旧シンガポール開発銀行)。1986年にシンガポール政府によって設立されて以来、民営化や郵便貯金局(POSB)との合併を経て、資産規模では東南アジア屈指の大手銀行に成長。オンライン・バンキングに専用の循環型認証コード・デバイスを採用するなど、最新のテクノロジーと大手銀行の風格を上手に融合させている。「アジア金融市場」を代表するに相応しい銀行といえるだろう。

本社を台湾に置く中国信託商業銀行(CTBC)も2部門で受賞。2013年には東京スター銀行の買収を発表し話題となった。

アジア地域受賞企業11社 シンガポール、台湾が圧勝

アジア太平洋最優秀銀行賞 DBS銀行(シンガポール)

アジア顧客洞察賞 MLC(オーストラリア)

アジア顧客経験賞 中国信託商業銀行/CTBC(台湾)

アジア太平洋テクノロジー賞 ホンリョン銀行(マレーシア)

アジア太平洋デジタル・バンキング賞 政府貯蓄銀行(タイ)

アジア太平洋ビジネス・アジリティ(俊敏性)賞 E.サン・コマーシャル/玉山商業銀行(台湾)

アジア太平洋次世代保険証券賞 NN生命保険(日本)

アジア・コーポレート銀行賞 DBS銀行(シンガポール)

アジア・リスク管理賞 中国信託商業銀行/CTBC(台湾)

アジア太平洋デジタル改革賞 DBS銀行(シンガポール)

アジア太平洋デジタル決済賞 アクシス銀行(インド)

(ZUU online 編集部)

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