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(写真=FinTech online編集部)

「FinTech企業」と言えば、ベンチャーやスタートアップと呼ばれる、ごくごく小さな規模の組織を想像するかもしれない。その典型的な規模感のチームで決済プラットフォームの構築に取り組んでいるのが、「PAY.JP(ペイドット ジェーピー)」だ。

同決済プラットフォームを運営するのはBASE。数多くある決済プラットフォームと同様に、自社のプロダクトに磨きをかけ続けている。ネットショップ開設サービス「BASE(ベイス)」を運営する同社が、ローンチ前のオンライン決済サービス「ピュレカ」を子会社化し、2015年9月に開発者向けにリリースしたのが「PAY.JP」だ。

今回はそのPAY.JP事業部長を務める高野兼一氏に、お話しを伺った。プロダクトの開発を進めている職場の現状と、人事面で今後どのような見通しを描き出すかも興味深い。

PAY.JPを育てるのは「ネット大好き」なエンジニアの職場

金融サービスを中心に発想すると、まだまだ「お堅い」と思われるかもしれない。だがPAY.JP事業部は、そうした雰囲気からはほど遠い。高野事業部長自身も、職場ではカジュアルな格好で通しており、金融業の典型的なイメージとはギャップがある。

実際のところを直接尋ねると、「インターネットネイティブな若い人達が集まっており、チームのメンバーみながネット好き。ネットを使って既存の金融システムをディスラプト(破壊、崩壊の意)していこうとしている」との答え。会社の雰囲気はまさにネットベンチャーといったところだ。

さらにチームは全員がエンジニア。ネット大好きな人達がエッジの立った(個性の際立った)プロダクトを目指して開発に集中しているという。中には米国に留学中の大学生もおり、オンラインを中心に情報の発信と議論をしながら、業務を進めていく。

実際、「今年の4月まで正社員は2人だけだった」(高野事業部長)のが実態で、決済プラットフォームとしての完成へ向けた取り組みも、組織の拡充もまだまだこれからというところだ。その中で同氏は、自身で課題を見定めつつ着実に進めようとしている。

職場でのコミュニケーションにも、いわゆる“エンジニア文化”が目立つ。ITエンジニアの間でポピュラーなメッセージツールSlack(スラック)を活用しながら、業務に関連する意思の疎通を図っているとのことだ。カジュアルに別のサービスと連携させることもでき、チャットベースで業務を進める上では非常に役立つとのことだ。

正社員のほかにも、業務委託で働いているスタッフやリモートで働いているスタッフもメッセージツールを有効に活用しており、そうした点では、PAY.JP事業部は、「エンジニアフレンドリー」な職場だと言うことができそうだ。