注目が高まっている仮想通貨の中で、最も知られているのはビットコインだろう。日本円や米国ドルといった、法的な裏付けのある身近な通貨とは違い、位置付けもはっきりしなかったことから、一部で理解を得られてはいなかった。
その中で、ビットコインに代表される仮想通貨の未来にアツい想いを持つ人材を求めるのが、ビットコイン取引所の運営を手掛けるビットバンクだ。仮想通貨の取引所というまだ一般的には理解の進んでいない分野にあえて飛び込む、勇敢な人物の登場を待っている。
そんな野心的で挑戦的な人材を求める同社のプロダクトマネージャーを務める三原弘之氏から、ビットバンクが職場として目指している方向性について伺った。
ビットコインへの熱い想いがビットバンクの扉の鍵
ビットコインの事業化にはもちろん、取引を円滑に行ったり、気軽に送金できたりするシステムを作らなければならない一方で、ビットバンクが求めるのは、ITやシステムについてのいわゆる“スキル”だけではないという。
いったい、仮想通貨を取り扱う事業で、ITの知識などテクニカルなスキル以上に求められるものとは、何だろうか。ことビットバンクに限っては答えはシンプルで、「仮想通貨に対する深い造詣と強い意思」。そう語る三原マネージャーもビットコインに対しては一家言ある人だ。
三原氏は、ビットコイン自体がまだ広くは浸透しておらず、人材も積極的に入ってきているわけではない現状を解説した上で、同社で求める人物像について「分散化された通貨がつくる未来に対して情熱を持って取り組める人」「仮想通貨の将来性を信じられる人」をまず条件としてあげ、継続的に取り組み続ける意思の大切さを強調する。
三原氏自身は、個人的な見解とした上で、ビットコインの魅力として“自由さ”と”貨幣の選択権”を指摘。ブロックチェーンも活用しているビットコインは、既存の法定通貨よりも決済、送金をより安価に、容易に出来る仕組みを実現しており、「フリードリヒ・ハイエクが唱えたように、既存の国家体制における法定通貨の枠組みへ新しい選択肢を提案したという点に魅力がある」(三原氏)とのことだ。
また、正確にビットコインの仕組みやインパクトを咀嚼出来ている人は殆どいないため、「採用候補者との面接でも、ビットコインの知識については尋ねる」(三原氏)とのことだが、基本的な条件についてはビットコインの仕組み・技術を正しく理解し、その可能性にどこまで取り組み続けられるのか、覚悟があるかどうかにあると言えそうだ。
ベンチャーらしく、「学ぶ姿勢」が重要
ビットバンクはまだ小さな所帯だ。渋谷駅すぐそば、青山学院大学の青山キャンパスや国連大学のすぐそばにオフィスを構えているが、組織の拡大はこれからといったところだろう。
実際、三原氏は数多くあるフィンテックスタートアップと同様に「学ぶ姿勢が重要」だとして、背景としてビットコインの現状についても黎明期にあると指摘する。