同氏によれば、「インターネットの普及」に準えると、ビットコインはまだ1990年代半ば以前のような状態。当時は「ネットスケープナビゲーター」のようなウェブブラウザや「Windows 95」のような一般に使い易いOS(基本ソフト)もなく、一般消費者者にとってはまだまだ近寄り難かった。ビットコインは現時点ではまだ、そんな状況だという。

ブロックチェーンの普及啓発のため書籍も出版(写真=FinTech online編集部)
ブロックチェーンの普及啓発のため書籍も出版(写真=FinTech online編集部)

三原氏によれば実際、ビットバンクで採用したい職種もはっきりしている。まず採用候補に挙がるのは、ビットコインの取引やその管理サービスを作るエンジニアだという。例えば、Webサイトなどユーザーが直接操作をする「フロントエンド」と呼ばれる領域を担当できるエンジニアだ。

ユーザーの目には映らないものの、データ処理など重要な計算処理を行う「バックエンド」、さらにはビットコイン特有に求められる技術について詳しい人材もいればなお望ましいということだ。

他方で、ビットバンクで評価される人物像にも、「ベンチャーらしさ」がある。FinTech企業の他社で要求されるのと同様に、「学ぶ姿勢」が重要だとのことだ。比較的に新しい分野でもある仮想通貨・ビットコインについて、主体的に、自ら学ぶ積極的な姿勢が求められていると言えそうだ。

現在は学生インターンや外部のスタッフとも協力して、サービスに磨きをかけている最中で、エンジニアは4人。インターンとしても、サポート業務や記事執筆を担当する人を求めているとのことで、今後、戦力をどのように強化していくのかについても注目だろう。

入口はビットコインニュースからか人脈か

ビットバンクがその採用を進める上で、主な経路となるのは「紹介」だという。人材エージェントなど社外とも連携した大々的な募集はまだ、行っていないようで、手の込んだ人材採用をしているわけではなさそうだ。

同社では採用のプロセスもシンプル。三原氏は「採用プロセスとしては、書類選考と現場の社員による面接、そして社長面接の3段階」と解説する。その際に、基本的な業務遂行能力に加えて、ビットコインへの情熱を持っているかどうかをチェックする。

一方、学生インターンについては、同社が運営するビットコインの情報Webサイト・ビットコインニュースでも募集しているとのことで、問い合わせも頻繁にあるという。1週間に1回は問い合わせがあり、ビットコインに関心を持つ学生からも注目されているようだ。

三原氏は「最近も大きな値動きもあり、仮想通貨に興味を持つ人が増えており、そうしたことをきっかけにビットコインに興味を持つ人も増え、広まっていけばいい」と話した。加えて、世界の仮想通貨業界全体で、安全性を高め、分かりやすいインターフェースに改善することで、ビットコインを広めたいなどと同氏は語った。

(写真=FinTech online編集部)
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おカネに対するまったく新たな取り組みとしてのブロックチェーンや仮想通貨・ビットコインの事業化を目指して、ビットバンクはどのように職場を作り、ブロックチェーンと仮想通貨を盛り上げていくのだろうか――。( FinTech online編集部

ビットバンク株式会社
本社:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-10-15 NV_1 BLDG 7F
代表取締役CEO:廣末紀之
資本金:2億9700万円
ビットコインをはじめとした仮想通貨の技術を応用して広まる“マネーのインターネット化”によって進むお金を取り巻く不公平や不便の解消に向けて、さまざまなサービスの提供を通じた世界の進歩への貢献を目指す仮想通貨関連企業。ビットバンク取引所、ビットバンクウォレットサービスの提供と、ビットコイン・ブロックチェーン総合メディア「ビットコインニュース(BTCN)」を運営している。

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