消費者はテクノロジーと人間の共存を選んでいる

こうした「別物」はロボアドだけではなく、デジタルサービス全般に該当するだろう。

銀行の存続は顧客の満足度にかかっているといっても過言ではない近年、オンライン・バンキングやロボアドも含め急速にデジタル化が進んでいる。

こうした動きはすべて、「利便性」や「低コスト」を求める消費者からの需要に応えるものだが、今回のサーベイではミレニアル世代以上の61%が「オンラインなどより、すべてのサービスを一括して受けれる従来の支店がよい」と回答。

しかしここでいう支店とは、「営業時間外でも利用できる」「住宅ローンなどの専門家に相談できる」といった、顧客へのサービス満点の支店を指すようだ。

従来の支店へのミレニアル世代の愛着は半数以下(49%)だが、19%は「高度なデジタルサービスを備えた簡易支店」を求めている。

注目すべきは、すべての世代を通して87%が「今後2年以内に支店を利用する予定」であり、支店を「消費者と銀行が関わりあう場所」と見なしている点だ。

これらの消費者の49%は「支店で従業員と会話をしながら直接取引をした時の方が、銀行に対する信頼感が強まる」、47%は「大切な顧客として扱ってもらえる」と感じている。そのほか「勤務先や自宅付近に支店がある(37%)」といった立地条件も、重視されるようだ。

大手銀行がデジタル化に向け大量の人員削減を実施している反面、消費者は無意識のうちにテクノロジーと人間の共存を選択している。

いずれにせよ、顧客にとっては「消費者の我がままを絶妙のバランスで聞きいれてくれる銀行」が、理想の銀行であることは間違いなさそうだ。( FinTech online編集部

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