アジアFinTechの新星として、世界中の注目を浴びているシンガポール。既存の金融セクターだけにとどまらず、今後成長が期待されている保険産業にも、強力にアピールする都市となることが期待されている。
保険産業のFinTech化を目指すコミュニティー「インステック・アジア(Insuretech Asis)」の誕生に加え、英EU離脱騒ぎによる海外企業の流入も十分に起こりうる。
FinTechの発展では一歩も二歩も出遅れた感の強い保険産業。ここにきてようやくエンジンがかかったようだ。
未来の金融帝国 シンガポール
コミュニティーの共同設立者ジョージ・カッセルマン氏は、シンガポールのFinTechメディアによせた投稿の中で、FinTechの要となる「革命」には、効率的なエコシステムやチームワーク、実行力などが必要不可欠だという見解を示している。
つまりどれほど想像力溢れるスタートアップでも、社内の結束は勿論、他企業との提携や支援システムなしの独走では、最大限の成果をだしにくいということだ。シリコンバレーやニューヨーク、ロンドンのユニコーンなどを例に挙げても、単体であれほどの成功は成し遂げられなかっただろう。
いまだ初期段階でくすぶる保険FinTechが変貌を遂げるには、新鮮かつ実用的な発想、利益創出に向けた堅硬なパイプライン、事業発展に快適な環境を確保する必要がある。
こうした観点から見た場合、「現時点ではシンガポールが理想の地として最有力候補だ」とカッセルマン氏は断言する。
シンガポールは近年、アジア市場へのゲートウェー(入り口)として頭角を現しており、近い将来アジア最大のFinTechハブとして君臨する可能性が非常に高い。
アジア圏で最も国際性に富んだ国として認識されているだけに、「世界一ビジネスのしやすい国」に挙げられることも多く、アジア屈指の金融セクターとしての知名度も着実にあがっている。
ベンチャー、コンサルティング研究機関、Z/Yenグループによる「グローバル・ファイナンシャル・センター指数(GFCI)」の最新版では、ロンドン、ニューヨークに次ぐ世界第3位の金融都市に輝いた。