保険産業をコミュニティー化 最大限の能力を引きだす

言語、規制、コスト、透明性、効率性といった利点に加え、急発展中のFinTech環境が、国内だけではなく海外のスタートアップにも、有利に作用するであろうことは疑念の余地がない。

今年に入ってからは、英国とのFinTech提携関係「FinTech Bridge」を結び、英国への進出を図ると同時に英国からのスタートアップの受け入れにも積極的だ。さらなる国際化を目指し、今後同様の提携関係を他国と広げていくことも十分に考えられることから、海外企業にとっては事業を設立しやすい環境だといえるだろう。

カッセルマン氏は今年から来年にかけて、数えきれないほどの保険スタートアップがシンガポール、あるいはアジア地域に流れこんでくると見込んでいる。Brexitを機に新しい可能性を求めて、米や欧州ではなくアジアに次の可能性を見いだす企業も多いはずだ。

こうした背景を十分に踏まえたうえで、インステックが誕生した。いまだ発展環境が確立されていない保険スタートアップに、最高のリゾースを提供し、お互いに利益を創出できる企業や機関と結びつけることを目標にしている。

保険産業をコミュニティー化することで、単独では到達しにくいレベルにまでスタートアップの潜在能力を引き上げ、それがまたコミュニティーの原動力となって反映されるという成長サイクルを生みだせる。

従業員数が10人にも満たない小さな企業だが、設立から半年ですでに3つのテスト・イベントをシンガポールで開催。国内、国外の加入メンバーは200企業を突破した。

将来的にはアジア全域にプラットフォームを拡大するという野望のもと、保険FinTechを大いに盛りあげていくという。

インステックでは現在提携、支援関係を結べるパートナーを募集中だ。日本からの申し出もきっと大歓迎されるだろう。( FinTech online編集部

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