今年11月に決定する第45代米大統領選で共和党から出馬中の実業家、ドナルド・トランプ氏が勝利した場合、ビットコインが高騰する可能性があるという。

「暴言王」として数々の論議を巻き起こしているトランプ氏が、米国を統率する権力を手中におさめたが最後、米国を始め世界中で不安感が増し、その結果「安心資産」のビットコインに人気が集中するといった憶測に基づくものだ。

ビットコインが金(ゴールド)などに匹敵する安全資産と見なすことについては、賛否両論の反応が起こっているが、世界規模の混乱が仮想通貨価格を押し上げていることは事実だ。

英エコノミスト紙「トランプ大統領誕生は国際的脅威10位」

「まさか」のトランプ氏共和党候補確定を受け、米国はもちろん、各国がすでに騒然となっている。

「低所得者の所得税免除」「法人税引き下げ」「退役軍人の医療制度改革」など米国内における大幅な改革から、「人民元切り下げ禁止」「日本在留の米軍経費全額負担」を含む国際問題まで、一部過激としか例えようのない政策を続々と提案。

以前からムスリム系米国人やメキシコ人に対する敵意をむきだしにしていたトランプ氏だが、当選したあかつきには「大量の不法滞在移民を撤去し、イスラム教徒を監視する」「米メキシコ間に巨大な壁を建設する」と、さらに過激な方向へと暴走している。

暴言ぶりも相変わらず絶好調で、今年3月に発表された英エコノミスト紙の「国際的脅威トップ25」では、「トランプ大統領誕生」が10位にランク入りしていたほどだ。

従来の“くさい物には蓋をする”政治家とは違い、歯に衣をきせない単刀直入なスタイルゆえに、高い支持率を誇るトランプ氏だが、米大統領の座に就任することになれば、国際混乱は回避できないだろう。

世界経済が不安定に傾けば、ビットコインの価格が高騰するのは、米利上げやBrexitですでに実証済みだ。

価格変動の激しさが、敬遠される理由の一つとして挙げられることの多いビットコインだが、投資家間では安全資産と見なす傾向が強まり始めている。仮想通貨の歴史が浅いだけに、「判断するにはまだ時間を要する」との声も聞かれるが、多くの投資家がビットコインに殺到している。