トランプ氏効果、半減期、高難易度などで価格高騰?

ビットコイン価格の過去データを見てみると、その目まぐるしさに驚かされる。

過去1年間の変動を例にとっても、チャートの折れ線が相当鋭く上下しているのがわかる。昨年10月に400ドル(約4万228円)台に回復したビットコインは、世界経済の不透明が増すにつれてさらに上昇。今年6月中旬には768.24ドル(約7万7262円)を記録するが、DAOハッキング事件で一旦急降下。

しかし歴史を塗り替えた英EU離脱が決定したことで、今月2日には703.56ドル(約7万757円)まで再高騰するも、8日現在は638.08ドル(約6万4171円)に落ち着いている。

当然ながら現時点でのビットコイン投資家の注目は、「今度再び値上がりするのか、それとも値下がりするのか」という一点に集中しているはずだ。

トランプ氏効果以外にも、ビットコイン価格を押し上げる要素は考えられる。

採掘難易度が昨年11月から3倍も上がっているうえに、4年に一度訪れる「半減期」が秒読みに入った(7月9日から10日に予定されている)ことで、採掘報酬が半減してしまう。

その影響については様々な憶測が飛び交っているが、比較的高い価格水準を維持しているところを見ると、警戒して撤退体制に入る投資家は少ないようだ。

これらの要素がからみ合い、ビットコインの成熟にプラス効果をもたらす可能性は十分に考えうる。

英調査会社ジュニパー・リサーチは、ビットコイン動向を分析した最新のレポートの中で、「様々な社会経済背景を考慮に入れた場合、今年のビットコイン取引件数は昨年よりも3.5倍伸びるだろう」と予想している。( FinTech online編集部

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