欧州銀行セクター,10の質問
(写真=PIXTA)

BREXITの国民投票後の株式市場の動揺は消化され、市場は今週一気に盛り返している。米国の雇用統計の強さ、今月の各国中央銀行の金融政策への期待、日本の大型補正予算の可能性等が支えとなっている。

この勢いの中、現在数少ない懸念材料が欧州の金融機関であろう。特にイタリアの銀行の信用問題については、依然抜本的な解決策が見えない。実際どこまで厳しいのか。どこまで波及しうるのか。主な10のポイントについて整理してみたい。

今回の問題は、イタリアに固有の点が多く、他の地域の金融機関に対する直接的な影響は極めて限定的である。しかし、最後のポイント9~10にある通り、EU当局の対応次第では、巨大な銀行債市場への影響など世界の金融機関に対する間接的な影響は無視できないものとなるだろう。株価は一部でリバウンドしているが、欧州の銀行および、国際的な銀行に対する短期投資ついては、株式、債券ともに、警戒レベルを上げておく方が無難だろう。

1:イタリアの銀行の不良債権の規模は?
2:そもそも不良債権の定義はどうなっているのか?
3:不良債権は、なぜここまで増加してしまったのか?
4:イタリア政府や銀行は、現在不良債権処理にどのように取り組んでいるのか?
5:なぜイタリア政府は、かつてのように、銀行を直接支援できないのか?
6:EUルールに基づく新たな銀行救済ルールの何が問題なのか?
7:万一イタリアの銀行が破綻した場合、日本や世界の金融機関に対する影響は?
8:銀行の経営難が政治的な影響を与える可能性はあるか?
9:今後考えられるシナリオは?
10:今後の日程は?注目すべきイベントは?