家計や会計をITでより簡単にするFinTechサービスの誕生が続いてきた。事務作業の量も膨大になる企業会計では、クラウド会計システムなどのサービスも注目を浴びており、経理の事務、入力といった形でも活躍している。
メリービズはその中で、クラウドソーシングによる経理代行サービスを提供しており、同社代表の工藤博樹氏はフィンテック協会でも代表理事を務める。ローテクも生かしたサービスで勝負をかける同社だが、組織としては拡大の余地がありそうだ。
今回はそんな同社で、マーケティングとカスタマーサクセスを主に担当する山室佑太郎氏に、フィンテックスタートアップで働く現実について伺った。
理念と行動指針を作り直した2016年
同氏はもともと、大学院生時代にメリービズでインターンをしてきており、その後、コンサル企業に入社したものの、「答えのない仕事をしなければならない点に惹かれて」、戻ってきたという。
山室氏によれば、同社は2016年に新たに作った理念(ビジョン)や使命(ミッション)、価値(バリュー)を作り直して、新鮮な方向性を打ち出したところだという。組織の方向性をしっかりと決め、新たに打ち出すことで人心の刷新を図った格好だ。
「世の中を良くしたいと思っても、一人ではどうしても出来ないことがあり、皆で同じ空気を吸って、同じ夢をみる必要があった」(同氏)との思いや、2015年の一体感不足との反省に立ち、メンバーみんなで合宿を張り話し合って決めたとのこと。
具体的には「ビジネスをもっとシンプルに。」を理念に掲げ、「"ビジネス・インフラ"を創る」ことを、ミッションとして定義した格好だ。
バリューからきっちり評価して「絵文字」で評価し明確化
さらに、バリューとしては、誰にでも誇れることをする「Do good」、常に相手目線に立とうとする「人を見ろ」、常に最高のパフォーマンスと成果を目指す「プロフェッショナル」、自ら動いて貢献する「For the team」、さらに「透明性」や「あたり前を疑え」といったものに価値を置くことが改めて明確にされた。
メリービズでは、評価を明確にするために、掲げたバリューに沿った行動についてはスタンプを付与するといった取り組みも推進。いい行動をとった際には、スタンプを付与するなど、明確に評価をしているとのことだ。
同社はバリューの実現へ向けた取り組みも踏まえて、意思疎通の透明性も高く保つ工夫をこらしている。フィンテック企業の各社がさまざまなコミュニケーションツールを活用して、効率化を図ろうとする中で、同社の運用方法は非常に特徴的だ。