開かれた意思疎通で風通しの良い組織に

メリービズ,経費,フィンテック
(写真=FinTech online編集部)

他の電子決済プラットフォームの提供会社などと同様に、メリービズもメッセージツールを活用。ITエンジニアの間を中心に、人気のある「スラック(Slack)」を使っているところまではよくある工夫。

だが山室氏は、メリービズ社内でのスラックの活用については、「ダイレクトメッセージは禁止している。メンバーの誰からでも見える形でコミュニケーションを図るようにしている」と語る。透明性の高い議論や意思決定のプロセスの実現を図っているとみられる。

またスラックでは、バリューに沿った行動の評価を明示するにも活用しており、「Do good」などそれぞれの内容に応じて、「バリューに基づいた行動をした際に、絵文字でリアクションする」などはっきりとわかる形で示しているという。一つひとつの行動を評価する仕組みとしても機能していると言っていいだろう。

インターン生と作る実務のカタチ

加えてメリービズで特徴的なのは、学生のインターン生に任せる範囲の広さだ。エンジニアや営業など具体的な人材獲得の理想像は具体化されていないが、正規スタッフの8人で一丸となって取り組んでいる様子だ。

特に学生インターンにとっては単なる作業だけではなく、経理代行サービスの実務を行う「オペレーションセンター」の運営は学生インターンに権限を委譲。実際の運営だけではなく、学生インターンが見つけた課題と、それに対する解決策をすぐさま取り入れるなど、実践的な立場を与えていると言えそうだ。

学生インターンの面接も含めてインターン生に任せてしまうほどだ。

その点では、経理や会計の分野でも学生インターンの独自の視点を示せることも大切な様子。山室氏は「経理や会計は、昔からこうしてたから、こういうルールだったからという理由で記帳の仕方を決めている。その中で必要ない点を指摘したりできれば、ほしい人材といえる」と話す。

メリービズ,経費,フィンテック

バリューの一つにも掲げられている「あたり前を疑え」といった姿勢を持っていれば、メリービズでの活躍の場も広がる可能性がありそうだ。少人数ながら、今後どのような組織に育っていくのか、未来の姿を見るのも楽しみだ。

メリービズ株式会社
本社:〒107-0061 東京都港区北青山3-12-7 秋月ビル6F
代表取締役:工藤博樹
資本金:1億3900万円
封筒に領収書とレシートをまとめて送ると入力代行を行ってくれる会計・経理クラウドサービスを運営。工藤代表自身の経験などから、企業での事務作業負担の軽減を目指して、起業した経緯がある。工藤氏はFinTech協会代表理事も務める。

FinTech online編集部

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