米フォーチュン500企業の社外取締役が受けとった昨年の報酬は、平均26万3500ドル(約2816万8150円/前年比3%増)であることが、国際企業コンサルティング、ウイリス・タワーズワトソンの調べから判明した。

株式報酬の平均は15万ドル(約1603万5000円)。現金による報酬平均が史上初めて10万ドル(約1069万円)を超え、10万8000ドル(約1153万6560円/6%増)に達した。

こうした報酬の上昇は、従来の「役員会出席型(役員会に出席する回数で報酬額が決定される)から、「貢献度重視型」への移行を表しているとの指摘もある。

年々増額する役員報酬 責任の重さに比例?

報酬の内訳は10万ドル(約1069万円)が「職務手当」、残り8000ドル(約85万4560円)が「会議出席手当」。これらの社外取締役の多くが、「10回にも満たない役員会や取締役会に出席すればよいだけ」と考えると、これほど時給のよい職はほかにあり得ないだろう。
一例をあげると、フォーチュン500では386位のセールス・フォースコム(Salesforce.com)には9人の役員が在籍しており、平均報酬額は58万ドル(約6197万3000円)。2003年からフォースコムで社外取締役を務めるサンフォード・ロバートソン氏は、63万4493ドル(約6779万5577円)を受け取っている。

しかし高額な報酬にも関わらず、役員を選考する苦労は絶えないという。マネージング・ディレクターのロバート・ムスチッヒ氏は、「役員職につきまとうプレッシャーに耐えうる人材を探しだすのは、決して容易ではない」と、高報酬にはそれなりの代償が必須であると主張。報酬の重さは責任の重さに比例するということだ。

社外取締役への報酬は年々上昇傾向にあり、2012年には20万ドル(約2136万6000万円)、2013年には20万7000ドル(約2211万3810円)だった。