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(写真=PIXTA)

21世紀に求められる“尖った人材”

日本を代表する経営コンサルタントの大前研一氏は、ICT(情報通信技術)の発達が進む21世紀の低欲望社会=モノやサービスを積極的に消費しない時代では、既存の企業がこれまで採用してきた戦略がことごとく機能しなくなると指摘している。その上で、日本企業が勝ち抜くためには「性格の悪いやつから採用すべき」と語っている。

ここで言う「性格の悪いやつ」とは、言い換えれば“尖った人材”のこと。人とは違った視点を持ち、人の思いつかないようなことを発案し、自ら実行できる人材だ。20世紀はクオリティの高い人間を数多く集めることが企業の成長に直結していたが、21世紀に必要なのは独自の“構想力”を持った人間で、そういう人間を“いかにして育てるか”ということが企業にとって大切になる。

尖った人材は育てられる!

低欲望社会にヒットする商品やサービスを生み出すためには、他者にはない発想を生み出す尖った人材を見極め、受け入れて、活躍の機会を与えていかなければならない。では、そうような尖った人材は、どのようにして育てていけばよいのだろうか。

1. 問題意識を持った人間が活用される企業風土を作る

仕事上のさまざまな場面において、現状に問題があると指摘してくる人間は、組織、上司にとっては扱いにくく煙たい存在になりがちだ。中には不平不満をぶつけているだけの人間もいるかもしれない。しかし、前向きな問題意識を持ち、人とは違った視点を具えているからこそ、その指摘ができるという場合もある。

上司としては問題を発見し、指摘してきた部下に対して、解決策を考えていけるように導いていくことが大事になる。そうすることで、自由な発想を持った優秀な人材が、より能力や意欲を発揮できるようになる。

これまでの日本企業では、組織の和や慣習が重んじられる傾向があったが、結果として『出る杭は打たれる』ことになりがちだった。際立った個性や才能を持つ人間を埋もれさせず、能力を活かせる企業風土づくりを進めてくことが必要なのだ。