2. 尖った人材の能力を引き出す「メンター」の存在

日本学術振興会サンフランシスコセンター長の井筒雅之氏は、ICT業界の人材育成についての講演の中で、尖った人材について「極めて高い集中力や突破力、攻撃力を備えた人材」と位置づけている。その上で、場合によっては性格に多少難がある、こうした人材の能力を組織の中で引き出すためには「メンター(メンタリング制度を請け負う人材)を育て、メンタリング(組織内の人材に、相談・助言できるようにすること)できる体制が必要不可欠」と語っている。所属部署の直接の上司とは別に、業務の相談にのって指導や助言を行ってくれる人間の存在が、尖った人材を組織内で孤立させることなく、その能力を発揮させるための鍵になるのだ。尖った人材を育てていくためには、メンター自身を育成する制度も必要になる。

3. 尖った人材同士が切磋琢磨する環境づくり

かつて、“出るクイ求む”という求人広告を打ち出したソニー。そのソニー出身の横田宏信氏がイノベーティブな人材を育成するために開発した研修プログラムの「出る杭研修」では、参加者は横田氏が提示する議題について数十回のグループ討議とプレゼンテーションを重ねていく。常識や既存の事業にとらわれることなくクリエイティブな発想のできる人間になるためには、物事を“深く・広く・正しく”考え、かつその考えをきちんと主張する能力を備えていなければならない、というのがこの研修の基本理念だ。尖った人材同士が切磋琢磨することで、さらに能力に磨きをかけ、最強の人材となることができるのだ。

適材適所で人材を投入することが肝要

現状を打破できる能力を持った人材を発掘し、その人材の能力を高めていくことができたなら、次はその能力を発揮させられる場を与えなければならない。適材適所を意識し、時代のニーズやマーケットの変化に合わせて、いかに効果的に人材を投入していけるか。経営者の手腕が問われるところだ。(提供: 百計オンライン

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