人気の背景には、手作りへのこだわりも

丸亀製麺は、セルフ式讃岐うどん店でありながら、香川県発祥でなく関西(兵庫県)の企業だ。すでにうどん店としては日本一になっているが、トリドール自体は1995年に焼き鳥チェーン店で設立した企業である。2000年に始めた丸亀製麺が大成功し売上も1000億円に達しようという大企業に成長した。

丸亀製麺に行ったことがある人なら賛同してもらえると思うが、うどんの命である麺のコシがあって旨い。

通常、うどんのチェーン店では、乾麺を茹でるか、もしくは冷凍麺を茹でるかのどちらかだが、丸亀製麺は讃岐うどんで有名な香川県の製麺機を自社店舗に1台ずつ設置しており「打ちたて」「茹でたて」「作りたて」を提供している。

通常、店舗数が増えたチェーン店であれば、セントラルキッチンを導入して調理の効率化をはかるのが定石とされているが、丸亀製麺は店内でうどんを打ち、天ぷらを揚げ、おむすびを握ることにこだわることで、関西発ながらも香川の老舗感を打ち出している。

なによりも安い。釜揚げうどんの並盛りは290円。ぶっかけうどんの並盛りも290円だ。コンビニランチと比べても割安感があるのではないだろうか?

安いと言っても、揚げたての天ぷらなどのトッピングで客単価を上げるようにしており、客単価は平均500円程度のようだ。冷たくさめた天ぷらや工場で作られたビニールに入ったおむすびではなく、その場で出来たての味を提供することでトッピングも注文しやすいように工夫している。

6月成功の陰に「神アプリ」の存在

6月の既存店売り上げ増には公式アプリのリニューアル効果があったと言われている。6月2日にリニューアルした公式アプリは、初回ダウンロード特典としてクーポン券を配信した。釜揚げうどん290円が140円と半額以下、鶏のかしわ天や大根おろしは60円、さらにお揚げが自慢の手作りいなりは、なんと無料で食べられるクーポンだ。ネット上で「強すぎる」クーポン、神アプリと拡散されたようだ。

現在もHPでチェックした限りでは初回ダウンロード特典は継続している。iPhoneでもアンドロイドでも大丈夫だ。

グローバルに展開する丸亀製麺

海外でラーメンブームといわれているが、うどんも外国人は大好きだ。

丸亀製麺ワイキキ店は常にオープン前から行列だとか。なんと国内外で900店近い店舗の中で、丸亀製麺でもっとも売上が多いのがワイキキ店。2011年4月オープンした同店舗を利用する日本人はせいぜい1〜2割に過ぎないことを考えると、外国人に圧倒的な評価を得ていると考えて良いだろう。

海外店舗は中国42店舗、インドネシア26店舗、台湾19店舗、韓国11店舗、香港9店舗などの12カ国・147店舗まで膨らんでいる。

2016年3月期の海外事業は、売上は62億5500万円(前期比55.2%増)、セグメント利益は4億3600万円(前年度は損失6億2000万円)と大幅増収、黒字転換となった。

ともあれ、丸亀製麺が世界のどこに行っても食べられるなんてとても楽しみだ。今日の昼はクーポンを持って近くの丸亀製麺へ出かけてみてはいかがだろうか?(ZUU online編集部)