「米国の消費者の42%が生命保険に加入していない」という驚きの事実が、米消費者金融サービス会社、バンクレート(Bankrate)の調査で判明した。
バンクレートは「加入者の中でも、残された家族の生活を支えるのに十分な保障(高額商品)を選択しているのはごく一握り」との懸念を示している。
しかし生命保険の必要性については賛否両論があり、従来型の保険商品が苦戦しているのも事実だ。「生活保障」の定義は、それぞれの家庭背景によって異なるだろう。
オバマ政権で生命保険加入率が低下
加入率は年齢層によって異なり、65歳以上の加入率が最も高く(65%)、18歳から29歳までが最も低い(44%)。
総体的に加入者の47%が、10万ドル(約1056万円)以下の保障金が支給される商品を購入。10万ドルから25万ドル(約1056万円から2640万円)は18%、25万ドルから100万ドル(約2640万円から1億560万円)は15%。それ以上はわずか2%という結果だ。
米マサチューセッツ州に拠点を置く非営利消費者団体、センター・フォー・インシュランス・リサーチのディレクター、ブレンダン・ブリッジランド氏は、「保険を十分にかけていない家族が多い」と批判的だ。
ブリッジランド氏は、特に18歳以下の子供がいる家庭の37%が生命保険に加入しておらず、加入している家庭の32%が10万ドル以下の保障しか受けられない点を強調。
小さな子供がいる家庭の大黒柱が不幸にも他界してしまった場合、母親が正規雇用者として十分な生活費を稼げる環境ではないケースが多い。低所得層ではなおさら、そうした傾向が目立つ。
フロリダ州で保険会社に法的アドバイスを提供しているブリザード・アンド・ハーゼナウアの責任者で、自身も米認定生命保険士であるジュディス・ハーゼナウア氏は、「オバマ政権による医療保険改革の影響が、統計結果に反映されている」と見ている。
以前は週30時間以上の就労者には生命保険付きの社会保障制度が適用されていたが、改革以降は医療保障を廃止する雇用主が続出しており、それとともに生命保険が排除、あるいは減額されているという。