3.中華系投資家の動向

東京の不動産への積極的投資が目立つ外国人投資家として、中国、台湾の富裕層の存在が挙げられています。彼らが積極的に投資する理由として、上述した東京オリンピック開催による価格高騰への期待以外に、日本の不動産の割安感が指摘されています。

中華圏の国・地域と日本の不動産の平均利回りを比較してみましょう。
・中国:2.66% (主要都市での平均)
・香港:2.82%
・台湾:1.57%
・日本:5.02%
(「GLOBAL PROPERTY GUIDE」より。データは2015年12月5日時点)

これを見ると、日本の不動産が中国本土や台湾の不動産と比べてかなり利回りが高く、不動産価格に割安感があることが分かります。中国・台湾の投資家たちは、転売による売却益(キャピタルゲイン)だけでなく、不動産を保有している間の賃貸収入(インカムゲイン)でも、より高い収益を上げることができると考えています。

また、中華圏の富裕層の間で東京の不動産の人気が高い要因に、日本のデベロッパーの「ブランド力」も挙げられます。上海には「上海環球金融中心」という、日本の大手デベロッパーの森ビルが手掛けた建築物があります。その建物の完成度の高さから、森ビルの名は中国でも幅広く知られるようになりました。そのため、森ビルが手掛けた東京・港区の「虎ノ門ヒルズ」に中国の富裕層が高い関心を示し、居住用マンションを多数購入しています。日本の有名なデベロッパーが手掛けた物件が多数あることも、彼らが東京で不動産を購入する1つの判断材料となっています。

まとめ

オリンピック開催で世界から注目されている東京は、これまで見てきたように都市としても、世界的にも、高い評価を受けていることがわかります。治安が良くインフラが整備されており、観光、ショッピング、グルメなど多様な体験が楽しめる東京は、世界的に見ても魅力的なのです。また、日本の不動産市場の安定性、不動産価格の割安感なども、外国人投資家から評価を受ける要因となっています。オリンピック開催という追い風を受けた海外投資家による東京の不動産への投資は、これからもしばらくの間継続するとみて間違いないでしょう。 (提供: TATE-MAGA

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